上々堂(shanshando)三鷹

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2009年 02月 20日

外は、良寛

本当にうっかりでは済まされない話だけど、
最近、わざわざ探求書をもとめて来店されたお客さんに、
「残念ながら…」と伝えて後に、その本の在庫を確認することが
ある。

絵本の場合だと、「もし入荷したら、一応ご連絡をお入れします。」
というような、緩い約束で連絡先を聞いておいたりもするのだが、
微妙に専門分野から離れていたり、専門分野でも入荷の見込みの
薄いもの、(例えば昔の料理のレシピ本など)は敢えて連絡先を
聞いてなかったりする。

お客様のほうでも結構熱心に探しているし、当方としても趣味で
在庫しているわけではないから、連絡さえつけばなんとかお売り
したい。しかし気がついた時は既に遅い。

この前の水曜だっただろうか、松岡正剛の「外は、良寛」をお探し
のお客様がみえて、その折「そういえば確か随分以前に入荷した
記憶が…」と思いながら、棚を一所懸命探してみたのだが、見つ
からない。
お客様が言うには、新刊書店に問い合わせたところ、「絶版では
ないが、取次ぎにも今なくて取り寄せようがない」と言われたと
言う。なるほど『切れ』というやつだろうか?
捜索の結果その時はどうしても見つからなかったから、致し方なく、
新刊書店でもちょっと異色の経営方針をされている西荻窪の
信愛書店さんをご紹介した。
信愛さんなら、こうした本はお持ちかもしれない。もし現在無かった
としても、敢えて中小の取次ぎさんとのお付き合いを大事にされている
らしいから、うまく取り寄せられることもあるかもしれない。
無事、見つかればいいですねと言って、お客様を送り出して
30分後、ネット用の棚の片隅に眠っていた一冊を見つけてしまった。
悔しい、いろんな意味で非常に悔しい。
この悔しさを古本屋はどう晴らすか?
読むのである。その本を。
「外は、良寛」は昔一度読んだが、悔しいから意地でもう一度読む。

それを今本当に必要とされているお客様に手渡せなかった悔しさ、
商売上の売り上げを逃した悔しさ、それらを晴らすため……、イヤ
読んだってどちらの悔しさも決して晴れないのだけど、何にもせず
にはいられないから、とりあえず読むのだ。
不条理で馬鹿馬鹿しいことだけど、再読とは言え良書を読むことは
少なくとも無為ではない。無為ではないのだ。たぶん、本当に…
ああ…
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by shanshando | 2009-02-20 11:11 | ■原チャリ仕入れ旅■


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