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上々堂(shanshando)三鷹

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2009年 05月 02日

季節商品

毎年この季節はそうだけど、今年は特にお受験本の持ち込みが多い。
シーズンが終わり不要になった物をさっさと片付けようというわけだ。
季節商品といっても、「梅干の漬け方」ならシーズン後に買い取っても
また来年有効利用できるが、お受験本じゃしょうがない。
売ってくださろうというお宅にも下にまだ小さな人がいたりするのだが、
さすがにその子の時は新しいものを買わなければいけない。洋服なら
ともかく情報のお古はありえない…というわけだ。
勿論、そのお宅で要らないものは、他のお宅でだって要らないし、当然
古本屋も要らない。丁重にお断りすることになる。

お受験本と一緒に必ず出てくるのは、「天才の育て方…」などの知育本。
新自由主義、市場優先主義にともなって広がりゆく格差社会で、なんとか
わが子を勝ち組にという悲願なのだろうが、ちょっとまってと言いたい。
イヤ、勉強や学問は実際やればやったで楽しいものだから別に悪いとも
思わないけれど、自分の子供に教育を施そうというわりには親が無思想
過ぎないか?と思うのだ。

そこまで必死になって、所謂勝ち組を目指しても、本当の格差社会では
勝ち組はピラミッドの頂上の極一部。二十年後の日本の人口がかろうじて
一億を保っていたとして、本当の勝ち組はその中の一万人3000世帯くらいで、
最低辺に分類される所謂「負組み」ほぼ半数の五千万人1500万世帯。
これらの人は殆ど納税能力がない下層市民。阿Q正伝の主人公のように
絶対に社会の中で浮かび上がれない階層だから、当然犯罪や暴力に手を
染める。
残りの4999万人もさらに数層に分かれるだろうけれど、大まかに言って、
この人たちが国という巣穴の中の働き蟻。現在の国家の借金の精算を押し
付けられる層になる。
エッ?一番頂上にいる人たちが一番多く負担するんじゃないのって?。
それはありえない。彼ら本当の勝ち組はパーマネント・トラベラーになって納税
などびた一文しないからだ。
つまり、今一生懸命お受験させて、人格の歪みを生むリスクを犯しながら育てた
子供の大半は、上からは権威によって吸い上げられ、下からは暴力によって収奪
される奴隷階級に成り下がることになるのだ。

確かに学問は面白いし、我々の将来に立ち塞がる問題(環境問題など)を解決する
ためにも教育は大事だと思うけど。「とりあえず自分の子供を勝ち組に」というような
発想から行われるような教育が本当の知力を備えた子供を育てるとは思えない。
ゆとり教育が失敗だったからといって、安直にまた詰め込み教育に戻るというのは
本当に愚かな発想だと思う。
そんなことは、かつての詰め込み教育の勝利者である、エリート官僚出身の政治家が
子供にだって判るような拙い失言を繰り返しているのを観ても判るではないか。(彼らは
なんであんなに馬鹿なんだろう?)

それよりなにより、そんな地獄絵図のような未来を招くような政策に迎合するのをやめる
べきではないか?昨日のニュースにまだ小泉が期待されるリーダーのトップだというのが
あって、千葉県の知事選といい、本当にどこまで無思慮を続ければ懲りるのかと呆れ果てた。

by shanshando | 2009-05-02 13:58 | ■原チャリ仕入れ旅■


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