上々堂(shanshando)三鷹

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2005年 09月 04日

古本屋の掃苔帖 第四十七回 六代目笑福亭松鶴

昨日に続いて、テキストは「酒と博奕と喝采の日日」
なんど読み返しても面白い本である。

さて、笑福亭松鶴は中学を退学になった子どもの頃、
歌舞伎役者になりたかったそうである。昨夜そこのところ
を寝る前に読んで、うなされた。
先代の仁左衛門が立て役で、白塗りをした松鶴の女形
と濡れ場をやってる夢を見たのだ。

酒豪話はあまりに有名で、小学校にあがる頃には五合
呑んでも平気だったという。学校から帰るとひとっ風呂
あびて、近所の関東煮屋でじっくりやってたらしい。
ひとっ風呂あびてからというところが、豪放洒脱な感じで
格好よろしい。台所で盗み酒なんて、いじましい真似は
しないのだ。

私の世代だと松鶴はなんか呂律の怪しいオッさんという
印象がつよいが、若い頃は立て板に水だったという。
ともに上方落語をささえた米朝が端正でアカデミック
なのに対し、松鶴はなんだかハッタリ臭くて好きでは
なかったが、古典落語というのは同じ噺を演者の個性の
違いで聞かせるのだから、松鶴のあのどぎつい個性こそ
今思えば宝だったかもしれない。
最近ざこばが松鶴のキャラクターを踏襲しようとしている
ように思えるが。骨身に染み付いたものに差がありすぎる
ように思う。

七代松鶴は残念なことだったが、八代に期待がかかる。
七代の話の時には芸風のちがいから誰も予想しなかった
事だが、やはりこのまま行くと鶴瓶が八代になるのだろう。
そう思ってみると、他の誰より六代目に似てる気がするし、
実力的にも、古典をやるやらんにかかわらず一番適任の
ような気がする。

なんだか、大阪に行きたくなってきた。
大阪の町で、大阪の味のアテ(肴のことですよ)で呑む酒、
うーたまらん、少し秋めいてきた事だし、今夜は関東煮き
でも造って一杯やるか。

六代目笑福亭松鶴、ゴンタのかぎりをつくして1986年9月
5日死去。死因は糖尿病の悪化による心不全。
享年はいろんなサイトで69歳となってるのだが、数え歳かしら?
満なら68歳のはずだが。
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by shanshando | 2005-09-04 13:56 | ■古本屋の掃苔帖


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