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上々堂(shanshando)三鷹

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2005年 09月 09日

古本屋の掃苔帖 第五十回 ハナ肇

「アッと驚く、タメゴロー!」ってわかる?
わかればアナタは少なくとも、30代後半の人である
はずである。
いやぁ、もうそんなことになるんですね。

「巨泉、前武ゲバゲバ90分」という番組が昔々その昔
あったのである。
1969年から71年の放送とあるから、万博の頃か。
岡本太郎さんが「グラスの底に顔があってもいいじゃないかっ!」
って言ってたのはもう少し後かな?
あの頃、テレビという箱は色々不思議なものを見せてくれた。
ふんふんと言ったアナタは少なくとも40代後半の人である。

不思議な不思議な70年代。
いつかも書いたが、やはり私などは生きてきた時代の中で一番
懐かしいのは70年代初頭なのだ。

「ゲバゲバ」は不思議な番組だった。まず出演者!
前武って何処いったんだろう?キャロライン洋子は?
お笑い番組のはずなのになんで宍戸丈が?常田富士男って、
出てたよねそういえば。
当時小学中学年だった私には憶えてない事もたくさんあるけど、
忘れられない事が一つ、それが「アッと驚くタメゴロー!」である。

ヒッピー姿のハナ肇が一人でなんかゴソゴソやって、挙句にいつも
「アッと驚くタメゴロー!」とやるのだ。
今なら、台詞はきっと義太夫かなんかなんだな、とか思って。それで
ヒッピースタイルとの不調和がどうのとか思うんだろうけど、あの頃は
ただただ判らないままにおかしかった。「判る」などということがいかに
詰まらない事かと言う事の好例だ。

ハナ肇はあの時が一番面白くて、後は山田洋二の映画もつまらないし、
(山田の映画がつまらないのはハナのせいではない。山田の映画のす
べてがつまらないのだから)クレージー・キャッツではやはり他の芸達
者に喰われている。

ハナ肇は1993年9月10日63歳で肝臓癌で亡くなっている。
死後、夫人によって「幸せだったね、ハナちゃん」という本が出ている。

by shanshando | 2005-09-09 00:21 | ■古本屋の掃苔帖


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