上々堂(shanshando)三鷹

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2005年 09月 20日

古本屋の掃苔帖 第六十回 五代目古今亭志ん生 

志ん生に関してはあまりにエピソードがありすぎて
そして、有名すぎて今更書く事がない。
数々の 志ん生の伝説をつたえる本の中で、やはり
一番流通しているのは結城昌治の「志ん生一代」
だろう。基本的に小説なので脚色も色々あるようだが、
これを読んだ上でさまざまな 志ん生本を読むと
イメージがふくらんで面白い。

おそらく、活字にはなってないであろう話題で、川柳
川柳(かわやなぎ せんりゅう)の話で聴いたものが
あるが、あまりに極端な下ネタなのでちょっと紹介し
かねる。

我々の世代は勿論 志ん生のナマの高座に接し得な
かった世代で、さまざまな音源は聴いたけど、それが
どんな風な所作や顔つきで演じられたか、何とか観ら
れないものかと思っていたら。数年前愛宕山にある
NHKのたしか放送文化研究所とかいう施設の映像
ライブラリーで閲覧できた。
もう、大分晩年の映像ばかりで、期待したほど面白
くなかった、しかし貴重な動画の志ん生体験は充分
同世代の同好の士に自慢できるものだったと思う。
勿論、本当のナマ志ん生を観た人たちには負けるが、 

志ん生ほど、死後も多くの新たなファンを作り続けて
いる噺家はいない。それはおもにレコード テープ 
CDなどによるもので、 志ん生は微妙なタイミングで
これらのメディアを生かせる時代に間に合ったといえる。

たとえば、志ん生より一回り年上で、56歳で亡くなって
いる初代桂春団治は、たくさんのレコードを残しているし
もちろん人気は凄かったわけだが、録音技術が未成熟
だった為現存している音源では春団治の本当の面白さ
は伝わらないと言われている。

芸人は一度、「ヨゴレ」というレッテルを貼られると、二度と
浮かばれないと言う定説を見事にひっくり返して、昭和の
大名人の名を揺るぎないものにした五代目古今亭志ん生
は1973年9月21日83歳で亡くなっている。
 
おそらくはこれから先も多くの人が志ん生を聴くであろうし、
それもいいけど、 志ん生ばかりが落語家ではない。当代
にも一杯芸達者がいて、今まだナマで観られる彼らを見逃
しては何もならない。
先ごろ亡くなった志ん朝や、談志はそれこそ、死んでからも
音源を聴けるが、大事なのは音源の残りそうもない芸達者
たちだ。先述の川柳川柳などは今聞いておかなければ、二
度と聴けなくなる可能性が濃厚である。
志ん生以上のアル中なのだ。 
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by shanshando | 2005-09-20 16:42 | ■古本屋の掃苔帖


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