上々堂(shanshando)三鷹

shanshando.exblog.jp
ブログトップ
2005年 10月 11日

古本屋の掃苔帖 第七十六回 レオ・レオーニ

おそらく、1958年か59年のある日、レオ・レオーニは一緒に
汽車に乗っていた二人の孫たち(まだ48か、49歳だった筈だ
が孫がいたのだ)に手を焼いていた。

子供というものは、汽車の中では騒ぐのが天から与えられた
使命のように思っているものだ。それも二人となるとなおの事。

この若いお爺ちゃんは腕白どもを黙らせる為に一計を案じた。
持っていた「ライフ・マガジン」の広告ページから青い紙と黄色
い紙を破りだし、即席のお話を語り始めたのだ。
これが、絵本の世界に新風を巻き起こした「あおくんときいろち
ゃん」の誕生の瞬間である。
当時レオーニはアメリカに住んでいて、「フォーチュン」誌のアート
ディレクターとデザイン学校のグラッフィック・デザイン部長をして
いたが、「あおくんときいろちゃん」が話題になってから、次々に
絵本の作品を発表し続けた。
堀内誠一は名著「絵本の世界●110人のイラストレーター」の中
でレオーニを「目(観察)と指(技法)の詩人は、同時にダ・ヴィンチ
型哲学者でもある」と、評している。

レオーニは元々アムステルダム生まれだが、幼少期よりヨーロッ
パを転々として暮らしており、1962年以降はジェノヴァ近郊の自
分で設計した家に住み、ニューヨークとの往復生活をしていたが、
1999年10月12日ジェノヴァの老人施設で老衰のため亡くなっ
ている。享年89歳。

自伝が(おそらくアメリカで)出ているようだが、日本では出版され
ていない。ちくま文庫にも入っている「平行植物」などに見られる柔
らかい発想力は、その生い立ちと大いに関係あるようで、興味深い。
どこかで翻訳出版されないだろうか。
[PR]

by shanshando | 2005-10-11 16:52 | ■古本屋の掃苔帖


<< 古本屋の掃苔帖 第七十七回 太...      あいにく雨の >>