上々堂(shanshando)三鷹

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2005年 11月 09日

古本屋の掃苔帖 第九十九回 十一代目市川団十郎

2005年11月9日現在、十二代目市川団十郎は白血病の為
入院中である。
父親似なのか真面目な人らしく、成田屋のHPの7日の日記
で改憲問題に関して書いている。論調はまず穏健な論憲派
というところ。
この人の父親がその美貌で戦後の歌舞伎界に「海老様」ブ
ームを巻き起こした十一代目市川団十郎である。
その美貌は孫である現海老蔵が受け継いでいる。

戦後は、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いのスターであったが、戦
前は大根役者の代名詞で通っていたらしい。その大根の彼が
如何に生真面目に大根から脱しようとしたか、利根川裕著「
十一世市川団十郎」を読むとフランス文学者辰野隆などとの
縁などもまじえて面白く紹介してある。

歌舞伎ものの本の面白さのひとつに、男ばかりの閉鎖社会で
男同士が艶を競うという事の妖しさがあると思うが、この本
の場合著者である利根川氏も男でいながら団十郎に酔いしれ
ている感があり、そこがいい。

大名跡、市川団十郎を継ぎ、相応以上の人気も得ながら十一
代目市川団十郎は昭和40年11月10日、癌で死亡している。
襲名後わずか三年半の短命な団十郎であった。
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by shanshando | 2005-11-09 21:52 | ■古本屋の掃苔帖


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