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上々堂(shanshando)三鷹

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2005年 12月 10日

古本屋の掃苔帖 第百二十六回 千石剛賢(イエス)

河原晋也の「幽霊船長」は河原の師である鮎川信夫
の追悼のために書かれた文章を中心に編まれた、早逝
した河原自身の遺稿集であるが、この中に福岡の「シ
オンの娘」に千石剛賢を訪ねる文がある。
鮎川信夫が生前一貫して千石および、「イエスの方舟」
を擁護、支持していた縁があるからである。
この中で、千石は自身の詐話師的な経歴をあっけらかん
と語っている。悪びれずに。
1979年からの騒動の時は、会員の親から訴えられたり、
はては三億円事件の犯人にまでさせられかけているが、
まるっきりの善人とはいわないが、そんな大胆な事ができ
そうなタマではなさそうだ。
大体、まるっきりの善人などありえないし、政治家や巨大
宗教の指導者のように、表面善人ぶっている奴にかぎって
正体は悪辣だったりする。

もと小悪党千石剛賢が結果的に偉かったところは、自ら
カリスマにならなかったことと、組織を広げる野心を持た
なかった事、そしてどんなに叩かれても止めなかった事だと
思う。

神は人間が必要に応じて創ってきたものである。
いつの時代も神を必要としている人が居る限り、神を創り
提供する人も必要かもしれない。葬式仏教という言葉に代表
されるような形骸化した既製の宗教では役に立たないし、
組織が肥大化した新興宗教はうさんくさい、千石のおっちゃん
ぐらいが一番現代に合った宗教指導者なのかもしれない。

千石剛賢は、2001年の明日12月11日に78歳で亡くなっている。
死因はなぜか伏せられている。

by shanshando | 2005-12-10 16:40 | ■古本屋の掃苔帖


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