上々堂(shanshando)三鷹

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2005年 12月 25日

古本屋の掃苔帖 第百三十九回 石垣りん

言い訳をするわけだが、
むちゃくちゃ忙しい。
今日は石垣りんさんを書く予定だったが、これは無理だ。
なにせ、次から次へと買取りが入ってくるのだ。
今日はおやすみにと思っていると、石垣りんがむこうから
飛び込んで来た。
現代詩手帖特集版「石垣りん」、これは書かねばならない
表紙の写真の石垣りんは、まるで人格的な陰りを見せない
丸顔で笑っている。

昭和9年14歳で進学を勧める親の意見に反して、自ら日本
興業銀行の事務職見習いに就職すると同時に詩の投稿を始
める。当初のペンネームは、夢路りん子、御空ゆき、青空
美加だったと、自筆年譜にある。宝塚風ですな。
以来、55歳で同行を退職するまで、銀行員をやりながら詩
を書き続ける。第一詩集「私の前にある鍋とお釜と燃える
火と」は、昭和33年から患った椎間板ヘルニアの快気祝い
として、34年に配られた。
84年の生涯を通じて独身で、この特集版に寄せられた谷川
俊太郎の追悼の詩によれば、1DKの部屋に寄贈された本に
埋もれて暮していたという。詩人、俳人、歌人みな共通の
悩みである。古本屋はまず引き取らない。
ご本人の詩集は、売れ行き良好で平成13年14年と続けて出
された三冊の詩集は、詩集としては驚くほどの売上げだった
という。

2004年すなわち昨年の明日12月26日、心不全のため亡くな
った。
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by shanshando | 2005-12-25 17:02 | ■古本屋の掃苔帖


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