上々堂(shanshando)三鷹

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2006年 01月 12日

古本屋の掃苔帖 第百五十二回 ジェイムス・ジョイス

「『ユリシーズ』を愉しみたいならダブリンに行ってみると
いいよ」といわれた。
そりゃまぁ、そうですけどね、大体今まで何度この難解な物語
に立ち向かおうとして、挫折したことか?
おそらく古本屋的には「失われた時をもとめて」と同じくらい
の確率で所謂「後家本」(揃いものの片割れだけという意味)
が出てくる本のひとつである。難解なうえ長過ぎるのだ。
それは、西欧の神話や歴史に昏く、英語もまるっきしな私でも
物語の舞台になった街に行けばそれなり感ずる事はあるだろう
けど、そもそもこの手強い書物にじっくり取り組める時間がない
人間が、どうしてはいそうですかとアイルランドまで行けるものか。

ダブリンでは例年6月16日、「ブルームズデイ」というのが行
われるらしい。ユリシーズの主人公の名前を戴いたこのお祭りは
物語の時制である1904年の6月16日にちなんで行われるのだが、
これは元々ジョイスが妻のノーラと初めてのデートをした日だった。
その同じ年に22歳の彼は生まれ故郷のダブリンを後にし、一生を
亡命者のように外国で送った。
潰瘍のため亡くなったのはチューリッヒで、1941年の明日1月13日、
享年57歳だった。

ちなみに「ユリシーズ」の中に出てくるホテルは現存しており、ロック
グループ「U2」のメンバーがオーナーであるらしい。
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by shanshando | 2006-01-12 17:42 | ■古本屋の掃苔帖


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