上々堂(shanshando)三鷹

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2006年 02月 03日

古本屋の掃苔帖 第百七十一回 カレン・カーペンター

昔、大量に水を呑む女性が私の近くにも居た。
夏場には確実に3リットル以上摂ると言っていた。
そうして、口にする固形物は赤ん坊のこぶし大の握り飯を
一日に二個ばかり、それには幾種類かの穀物や豆が炊き込
まれていたようだから、一応本人なりに栄養摂取の必要は
認めていたのだろう。
彼女は、けっしてそれをダイエットの為だとは認めなかっ
たし、客観的にもそれが必要には見えなかったから、おそ
らく何か精神的な問題なのだろうと思い、私は極力立ち入
らない事にしていた。当面、死にそうな様子もなかったか
ら、いや、もし死んでしまったとしてもそれが本人の意志
であるかぎり、他人には如何ともし難い。

世の中が飽食に明け暮れている傍らで、確実に摂食障害の
女性は増えている。その殆どが美容の為のダイエットから
病気に陥るようである。
「僕なんかは、すこしふっくらした女性の方が好きだけど」
などというセリフで、柔らかに諌めようとしても無駄な事。
女性がすべて男にもてたくて痩せたがっているなどと思い込
むのは、男の哀れで愚かな思い込みであって、女性はひたす
ら自分の為に、自分が自分を愛しやすくするために痩せよう
としているのだ。男などは、ダイエットが成功した時に「綺
麗になったね」と囁く程度のお役目しか期待されていない。

しかし何故、いつから女も男も痩せている事が美しいとされる
ようになったのだろう。例えば日本なら、少なくとも江戸時
代には考える事も出来なかった価値観ではなかろうか。
カレン・カーペンターがそうであったように、実際には既に
痩せているにも関わらず、尚痩せようとして結果摂食障害に
陥る女性のほとんどが問題するのがお尻である。
「なんでダイエットなんかするの?もう充分痩せているじゃ
ない?」というと、かならず
「駄目、顔とか痩せててもお尻が大きいから。」と答える。
お尻の大きさは骨盤の大きさに比例するわけで、骨盤が大き
ければ安産につながり良いように思うのだが…。

体形が崩れるからということを理由に出産をしない女性が多
いと聞く、人間と云うこの種はもはや遺伝子レベルで滅亡に
むけてのプログラムに入っているのかもしれない。
政府は少子化を憂いているが、それは税収の減少や老人福祉
の問題などを気にするからで、地球レベルで考えるとこの種
を減少させることは悪い事ではない。
いっその事、人口は減少するにまかしっちゃって、これから
増える分の老人の福祉は、国有財産を外資にでも売り飛ばして
それでまかない、30年後には人口7000万くらいになると、
この国の環境も良くなるかもしれない。

カレン・カーペンターは20代の頃、大量に水を摂取するダイ
エットが成功して痩せたにもかかわらず、お尻の大きさを気に
して更にダイエットを続けやがて摂食障害となり、治療を受け
見た目には回復したように見えていたが、実は完治しておらず
最後は服用していた痩せ薬の影響で、心臓麻痺をおこして死ん
でいる。
時に1983年の明日、2月4日、舞台で「トップ オブ ザ ワールド」
を歌っている途中だった。
享年32歳
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by shanshando | 2006-02-03 16:32 | ■古本屋の掃苔帖


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