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上々堂(shanshando)三鷹

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2006年 07月 06日

古本屋と環境問題

なんだかこの頃「掃苔帖」では、政治がらみの暑苦しい話ばかり
書いてしまって、「もうええ加減そんな爺の繰り言聞きとうないわい!」
とお叱りをうけそうな、というか軽く無視されていそうな、そんな気がする
46歳なのですが、これはもう性のようなものでしょう。
昔から、人と馴れ合うのが苦手で、というとカッコいいけど、早い話が社
会性に欠けていて、団体行動を強制されると反吐がでる。
右向け右といわれると反射的に左を向く、いやその前に命令した奴に噛
み付く。
このあいだから、興味があって右翼系のサイトを覗いていたのですが、
彼らの頭のなかでは、例えば反天皇制というとイコール左翼という図式
が今も続いているらしい。天皇制ならまだそう思ってもなんとなく判るが
(全然左翼じゃない天皇制廃止論者もいるんだけど)、たとえば薬害エイ
ズに対する抗議活動なども彼らの一部の認識では、左翼ということにな
るらしく、ちょっと唖然!
もしかして環境問題に関わっている人とかに対しても、「左翼!」とか思っ
てる?
薬害エイズは、あきらかに日本人の血に対する製薬企業や医学界の犯罪
だったわけだから、当然まず筋から言って怒るべきは右翼陣営だったはず
だけど、実際彼らの中で被害者を支援したり共闘したりした人はいたのかな?
逆に抗議運動をしていた人々に対して、「お前達共産党はっ!」とかわけの
わからない妄言を吐いていた街宣車がいたとは聞くが。

環境問題に関して、論及している街宣車も見たことがない。
日本武尊の作といわれる
「やまとはくにのまほろば たたなづくあおがきやまこもれる やまとしうるわし」
という歌を知っている右翼は、はたしてこの国に増殖し続けているネット右翼と
いわれる人の中にどれくらいいるだろう。
日本の右翼思想の根源にあるのは農本主義ではなかったか?
天皇が司祭する日本神道とは農事を通して自然への畏敬を新たにする行為で
あったはずだ。
様々な右翼サイトの閲覧でわかったことは、彼らは声高に国粋主義を唱える事
で、自らのコンプレックスをヒロイズムに転換しようとしているということだ。
まぁ、こういうことはある時期の左翼にもあったことで、要するにつきつめれば同じ
穴のむじななのだ。

で、今日何が言いたいのかというと、先ごろ行われた滋賀県知事選挙で快勝した
嘉田由紀子氏。私は久々に嬉しかった。

なにが嬉しいといって、彼女が地道な環境問題への学究としての取り組みの中か
ら、出て来た人だということだ。
似たような主張で長野県知事になった田中康夫は、いわば元々有名人であり、そ
の主張に対する冷静な検討判断は勿論長野県民の中にあっただろうが、有名人
であったことが、彼の得票に全然影響しなかったとは言いにくい。それに比べて、
嘉田氏は完全に草の根からの立候補で、しかも政党の公認を受けていない。
つまり、純粋な民意の結晶と呼んでも左程間違いではないと言うほどに、純粋な
のだ。

私は、二十数年前に滋賀県民をやめた人間で、はっきりいって差別習慣や利害
優先の民情の強いあの土地が嫌いだったのだけれど。どうやらこの数年の都市部
からの人口流入であの土地の民情も変わったらしい。
嘉田氏の活躍に関してはこれからまだまだ見守る必要がある。県議会は自民も民
主も公共事業から利益のおこぼれを頂戴する犬ばかりで占められており、せっかく
の民意を如何に押しつぶすか今鋭意検討中だろう。数年後東海道新幹線にもし栗
東駅が登場したら、一体どの党のどいつとどいつが銭を貰ったのか、調べてつるし
上げる必要がある。その時は右翼の諸君の活躍に期待したい。腰抜けの左翼なん
ぞにゃ出来る仕事じゃありませんから。

冗談(でもないけど)はさておき、愛国心云々をカラオケで自己陶酔するオヤジの
ような浅はかさで語る事は、再度この国に悲惨な歴史を繰り返すことでしかない。
この日本という地域の固有の風土、民俗を愛するなら、先ず自然に向かい合い、
国言葉を研究することだ。
日の丸、君が代なんか明治の奸物たちの創り出したチャチな偶像にすぎない。

by shanshando | 2006-07-06 23:04


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