上々堂(shanshando)三鷹

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2006年 08月 22日

古本屋の掃苔帖 第二百九十四回 ルドルフ・ヴァレンチノ

本名をロドルフォ・アルフォンソ・ラファエロ・ピエーレ・フィリベール
・ググリエルミ・ディ・ヴァレンティーナ・ダントングオッラというそうだ。
あんまり長すぎて本人だって憶えていたかどうか、怪しいもんだが、
もっぱらルディの愛称で、20世紀初頭の女性たちを熱狂させた無
声映画時代の大スターである。

デビューしたての頃のタモリが、真ん中わけでペッタリ寝かせた独
特のヘアースタイルをしていたが、あれは確かヴァレンチノを真似た
ものではなかったか?両者の共通点はエキゾチシズムということ
だろうか?デビュー当時のタモリは無国籍風の怪しさが、なんとも
いい感じだった。今は見たくもないが。

自分のキャラクターを売り物にする芸能人は、時の流れに従い商品
価値を衰えさせない努力が大変なのだろうが、ルドルフ・ヴァレンチノ
の場合、幸か不幸かその努力をする必要をまぬがれた。若い美し
さが、まだ申し分なく輝いていた31歳で死んだからだ。
死は美しさを永遠に定着させる唯一の魔法であったわけだ。

その死因には諸説あるが、「胃潰瘍の術後の経過が良くなかった」
為というのが、この今の私たちの想像の及ぶ範囲内で例えるならば、
「無声映画のキムタク」と言うのが一番ぴったりくる男前の死として
は、リアリティーがあってよいだろう。
美女と違って、美男子は結構神経が虚弱だったりする。

離婚訴訟で妻との間に性交渉を持たなかったという事が取り沙汰さ
れ、ゲイだったという説もあるが、若い頃ジゴロをしていたとも言われ、
早い話が、元々自分以外の誰も愛せない体質だったとすれば合点が
いく。イヤ、それは大体みんなそうなのだが、余程恵まれた資質を持
たない限り、それを剥き出しにしては生きられない。

1926年の明日8月23日ルドルフ・ヴァレンチノは死に、ニューヨーク
では女性たちによるパニックが起ったというが、まぁ驚くには当たらな
いだろう、大体の女性は隙を見つけてはパニックを起こしてやろうと、
虎視眈々ねらいをつけているものだから。
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by shanshando | 2006-08-22 16:21 | ■古本屋の掃苔帖


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