上々堂(shanshando)三鷹

shanshando.exblog.jp
ブログトップ
2006年 08月 31日

古本屋掃苔帖 第二百九十七回 リョコウバトのマーサ

昨日まで、滋賀に居た。
ふる里は遠きにありて思うもの、と言うほどではないが帰る
度に、同郷人のモラルの低さ、想像力の欠如には嫌気がさす。
電車では、お年寄りが居ようが、妊婦が立っていようが、知らん
顔で高校生やサラリーマンが、優先座席に座っている。
湖岸の浜辺には、カップ麺の殻が丁寧に箸まで添えて捨ててある。
明らかに、地元の土木・建築業者だけが喜ぶ愚にもつかない「箱も
の行政」の成果だけが、林立し、山林や水田は潰されて行く。
大河ドラマ狙いで「信長の館」なる中身の希薄な、展示館ができて
いたが、おそらく数年後には民間に払い下げてパチンコ屋にでもな
っているだろう。文化など不毛どころか皆無なのだ。

滋賀県人の自慢と言えば、数多くの財界人を輩出したことにあるが、
成る程こういう公徳心の無い土地の出身者が牽引してきたからこそ、
日本企業は世界で嫌われ、国内には未来になんの展望もない、使い
捨て文化が横行している。
自虐史観、自虐史観と阿呆の一つ覚えみたいに、喧しい昨今だが、
自虐の種を探すなら、何もわざわざ近現代史をあげつらうまでもない、
今現在我々が寄食している文化こそが、自虐の種になり得るではない
か、と思えてくる。

イヤ何も、自分の事を棚に上げて私ごときが威張っていいとは、思って
いないし、故郷に根付いて、マジメに環境問題や社会問題に取り組ん
でいる人達もいて、それが様々な成果を上げている事も知っている。
私の母の家のある草津は、全国に先駆けて地域通貨を取り入れた町
だし、先日就任した知事をはじめ、他県からやってきて、琵琶湖の治水
や水質、生態系などの環境問題に取り組んでいる人もいる。

以前から、琵琶湖は工業廃水生活排水による汚染だけではなく、ブラ
ックバスなどの外来魚による生態系の破壊が問題になっている。スポー
ツフィッシングという美名に糊塗された悪質な自然冒涜が、在来種の激
減を招き琵琶湖で漁業を営む人の生活を脅かし、鮒寿司などの伝統食
の存続も危うくしている。
BOOKOFFの代表取締役社長である実姉とともに古本屋の在来種の撲滅
を目指していらっしゃる清水国明さんは、あらゆる方面で在来種に敵意を持
っていらっしゃると見え、バス釣りの擁護派の先頭にも立っていらっしゃる。
古本屋のほうの在来種は、ニゴロ鮒より逞しいのでちょっとやそっとで絶滅
はしないが、自然はそうはいかない。

18世紀には世界の鳥類でおそらく最多の生息数が数えられるとされた、北
米大陸のリョコウバトは、食肉として乱獲されるだけでなく、ハト撃ちという
無益なスポーツの犠牲になって、その数が激減、20世紀の初頭には野性種
は見られなくなり、1914年の明日9月1日シンシナティ動物園に保護されてい
た最後の一羽 マーサが死ぬことによって完全に絶滅した。
[PR]

by shanshando | 2006-08-31 16:12 | ■古本屋の掃苔帖


<< 古本屋の掃苔帖 第二百九十八回...      季節とは自転車のはやさ >>