上々堂(shanshando)三鷹

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2006年 11月 16日

古本屋の掃苔帖 第三百四十二回 辻 嘉一

西荻の人気古書店 O羽館のご主人H氏は人格者であり、且つ
商売上手でも有名な人だが、たまにマジメが祟って太ってしまう。
マジメが祟って太るというのは、なんだか判ったようで判らない話
だが、要するに常に濃やかな心配りをするあまり、ストレスから過
食になられるようなのだ。
H氏だけでなく、優秀にしてマジメな古本屋さんは太る傾向があ
るようだ。古書組合主宰の同業者交換会など出掛けると、南氷洋
に集うトドの群れをみるような有様である。
この商売、昔は朝早く開け、夕方には早々に閉める商売だったと聞
くが、今はご時世柄何処も夜遅くまで営業している。
10時、11時といった時間に閉店して棚をチェック、家に帰ると12時
近く。そんな遅い時刻に物を食べちゃ身体に悪いのは判っているが、
どうしても身体の緊張がとれにくいので、呑む人は一本つけてちょっ
と晩酌。呑まないH氏のような人は夜食をちょっとということになる。
まぁ太るわけだ。と、おさまりかえっている場合ではない。
私の場合、優秀でもマジメでもないクセに単に意志の弱さから、気を
許すとすぐ太る。困ったもんだ。

しかし、今は一年で一番おいしいものがある季節。我慢ばかりもして
いられない。
そこで今日は、比較的ロウカロリーで満足感を得られるお料理を紹介し
てみよう。H氏にはもうしわけないが、どちらかというと酒の肴になる
かもしれない。

まず材料。
・合鴨の肉 少々(鶏肉でも良いのだが、これはあくまでも出汁がわり
    なので、少しで良いから味の濃い鴨を使いたい。)
・大根(今旬で安いので、無農薬のものを買って皮で酢漬け、葉は
      菜飯などにすると良い。)
・厚揚げかがんも

・だし昆布、酒、みりん、醤油

まず大根を下茹でします。お米を研いだ時の研ぎ汁をとっておいて、
一口大に切った大根を茹でると辛みや渋みが無くなり、まろやかにな
ります。続いて厚揚げやがんもにも熱湯をそそぎ軽く油を落とし、厚揚
げの場合はやはり一口大に、
さて次はだし汁ですが、朝出掛ける時に昆布を浸しておいた鍋を火に
かけ、煮立つ寸前に昆布をひきあげます。(この昆布はあとで細切りに
して、酢漬けに入れます。)
昆布を引き上げた後、やはり一口大に切った鴨肉を鍋に入れ、灰汁があがっ
たら丹念に取り、酒、みりん(控えめに)、醤油をいれますが、これは薄目
にすることをお薦めします。
調味が済みましたら、準備しておいた大根厚揚げがんもを入れて煮上
がったら出来あがり!
熱々の大根をひきあげては食べます。
食べてみて、やはり薄いかなと思ったら、好みで醤油、七味、ポン酢な
どで調味してください。
あくまで旬の大根を愉しむ料理ですから、くれぐれも味がクドくなったり
煮過ぎたりしないように気をつけて下さい。最後にたす味はちょっと上等
の醤油をひきあげた大根の表面にたらす程度にすると格別です。

ついでに酢漬けですが、大根の皮をやや太めの千切り、塩でもんで昆布
と一緒に酢、砂糖で調味した物に漬けます。すぐ食べてもいいですが、
冷蔵庫に入れて、次の朝ぐらいが食べ頃でしょう。菜飯は塩でもんだ
菜っ葉を刻んで炊きあがったご飯にまぶすだけですが、これも朝にしたほ
うが良いでしょう。夜食べると太りますよ。

さて、又またなんのブログだか判らなくなりましたが、1988年の明日
11月17日辻留の辻 嘉一が亡くなっています。数ある料理本のなかで
彼の本は古本屋のロングセラーのひとつに数え上げられます。
今日の料理は私の創作ですから、もしマズくても辻 嘉一にはなんの責
任もありませんので念のため。
享年81歳

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by shanshando | 2006-11-16 15:57 | ■古本屋の掃苔帖


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