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上々堂(shanshando)三鷹

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2007年 01月 25日

中央線はウンコ 後編

古本屋のエロ本コーナーにそれなりのノスタルジーと
いうとヘンだけど、思い入れを持ちながら何故自分の
店では置かなくなったのかというと、原因のひとつに
私自身が中途半端に老けて来たということがある。

私はどちらかと言わなくても、女性の裸に興味がある
ので、自分の仕事場にそういう扇情的なものを置くと、
どうしても気になる。気になったついでにちらほら
ページを繰ってみちゃったりする。
もう最近のあの手の本は凄くて、綺麗な女の人があん
なことしたり、こんなことされたりしている写真が満載!
結果つまり非常に疲れるのである。
もっと若ければ基礎体力があるから、それぐらいの疲労
はなんでもないだろうし、逆にもっと枯れていけば平気に
なるようだ。
事実、市場でお年寄りの古本屋さん同士がまるで句会
でも開いて、花鳥風月を愛でているかのような口調で
こんな会話を交していたのを聞いたことがある。

「○○さん、お宅のほうじゃ最近どんなぐあいです?」
「ああ、ウチは相変わらずロリと熟女ですね。」
「ほう、子供と年寄りですね。大戦末期の日本陸軍みた
 いだ。●●さんは?」
「ウチはなんと云ってもSMですね。」
「SMですか、あれは痛そうで私はどうも、××さんは?」
「ウチは、巨乳!それからデブも最近イケますね。」
「ふくよかなのは結構でゲス。□□さんじゃ、以前はよく
 ホモ雑誌を仕入れられたようですが?」
「いやぁ、前は仕入れると飛ぶように売れたんですがねぇ、
 最近めっきり売れません。みんなどうしちゃったんだろう?」
(と、淋しそうに目を細める。)
「どうしちゃったんでしょうか?」
「やっぱり、みんなで何処かに引っ越しちゃったのかなぁ…。」
昼日中、のんびりとした雰囲気でお年寄りたちがそんな話題
に話の花を咲かせて、それぞれが頭の中に東京の変態分布図
を拵えている。じつに長閑で平和な光景なのだが…

前にも書いたかもしれないが、興居島屋では初めのうちはエロ本
も置いていた。開店の時、師匠のなないろ文庫の田村さんに連れ
てもらって、神田のそういう本を扱っている問屋さんに行った時である。
田村さんは私どもの予算が限られているのを知っているから、なるだけ
卒のない仕入れをさせようと、問屋さんに聞いてくれた。
「最近はどういうのが売れてるの?」
「うーん、やっぱりロリに熟女かなぁ。お店何処に開くんだっけ?」
「西荻なんだけど。」
「ああじゃあスカトロだ!」
「ええ!スカトロ?ウチでは殆ど売れないよ!」
「世田谷はね。でも中央線はインテリが多いからね。」
(スカトロってインテリの趣味だったんだ!知らなかった!)
「ええー、世田谷だってインテリはいるよ。本当に売れるのかなぁー?」
「売れるって、間違いなし!荻窪の△さんだってスカトロが一番だって!」
「△さんが?うーん騙されたつもりで買ってみるか!?」
「騙されたつもりで買って大正解!中央線はウンコで決まりっ!」

半年後、結局スカトロは売れ残っていた。
中央線は荻窪以外インテリが少ないらしい。

by shanshando | 2007-01-25 13:36 | ■原チャリ仕入れ旅■


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