人気ブログランキング | 話題のタグを見る

上々堂(shanshando)三鷹

shanshando.exblog.jp
ブログトップ
2007年 10月 12日

怖い顔


私は臆病者で気が小さいことにかけては人後に落ちないという
自信があるのだが、眉が薄く、眼が吊り気味で、頬がこけている
うえに無駄に地声が大きいので、外見的にはやくざ者みたいに
見えるようだ。

すこしお付き合いすれば何方にも小心者であることは隠しようも
ないので、外見の与える印象は立ち消えるようだが、困るのは
通りすがりの人のする誤解で、街中で落ち込んでいる友人を励
ましているのを見て、やくざ者がシロウトさんを恐喝しているのと
間違えられたことなどざらである。
20代の初め頃、東中野の神田川のほとりで深夜、彼氏にふられ
自暴自棄になって川に飛び込むと言って訊かない女の子の友達
を羽交い絞めにして宥めているのを観たタクシー運転手に暴行魔
と思われ警察に通報されたことがあるが、後に飲み友達になった
その運転手は
「あんたの顔は自殺をとめる顔じゃない、首を吊ってる人の足を引
っ張る顔だ。」と開き直っていた。

顔の造形からうける印象というのは多分に映画やテレビ劇画などの
影響下にあるのではないか?冒頭に書いた私の顔の特徴は、昔の
やくざ映画に出てきた悪役像そのもので、現実に新宿などの盛り場
で見る本物のやくざさん達はかえってそんなステレオタイプな人相
はしていない。特に最近は風体も一般人と変わらないように心がけて
いるようだから、ちょっと見には見分けがつかない。
結局、人相の良し悪しを決定付けるのは、心のゆとりのあるなしで、
大手銀行のエリート行員だって職場や家庭に悩みが満ちていれば、
凶悪な顔になるし、自由恋愛照会業と薬品販売業の個人経営を路上
でやっているおニイさんだって心に幸せが満ちていれば、仏様のような
温顔をしていられる。
イヤ、そんなことはあるまい。法を犯すような悪人の心が幸せに満ちる
なんていうことがあったらこの世は闇じゃないか?という人もいるかもし
れないが、モラルというのは置かれた立場によって違うので、ポン引き
だろうがプッシャーだろうが、それを人助けと思い込むことは可能だし、
考えてみれば、ポン引きやプッシャーなんて銀行員に比べれば行って
いる悪事は高が知れているとも言える。要は自分さえ納得させることが
出来れば、人はすぐにでも善人になれるのだ。

「最近は石丸君も丸くなったネエ。」と言ってくれる旧友がいる。
「昔はギスギスしてたけど、最近はいい顔になったよ」というその友人の
顔も私に言わせれば一緒で、まあ多分お互い歳をとって皮下脂肪の含有
率が高まっただけのことだろうけれど、さまざま考えていると狸におだてら
れた狐のような気分になる今日この頃なのだ。

by shanshando | 2007-10-12 15:08 | ■原チャリ仕入れ旅■


<< おにぎり      九州 >>