2007年 12月 04日
急に寒くなったせいか、街路樹が熟したような色に紅葉しているもの だから、バイク乗りとしては危なくってしょうがない。 思わず見とれて、気がつくと後ろの車にあおられちゃったりするのだ。 今年の冬は寒くなるとのことだから、防寒下着の類は余分に揃えて おきたい。どうやら外回りの多い冬になりそうなのだ。 昔は駱駝色のズボン下やシャツなど、自分からすすんで着ることなど 一生ないだろうと思っていたが、今やこれなしでは冬を越せない。 二三年前まではそれでも病院や治療院など、人前で服を脱ぐ可能性 のある場所に行く時は見栄で着ていかなかったが、今や見栄という言 葉自体ボキャブラリーから消えうせた。 「寒い時おまえかつをが着られるか」というのは江戸川柳だそうで、江戸 っ子は見栄を優先するらしいが、私は贅六もごく在方の贅六なので、見 栄よりは寒さ防ぎを優先する。 話しは横にずれるが、最近よく江戸の闇について考える。 といっても鬼平さんが活躍する暗黒社会という意味ではなくって、本当の 暗闇、夕闇の闇のことである。 昔の上手いほうの金馬の「唐茄子屋政談」の上の部には、 「おい婆さん帰ったよ。なんだ暮れ方目が悪いくせして縫い物なんぞする んじゃないというのに、アッいけねえ口ん中蚊が飛び込みやがった。本所 に蚊がいなくなりゃ正月とはまったくよく言ったものだぜ。」というセリフが あって、江戸の下町の暮れ方をよく伝えるいいセリフだといつも感心するが、 旧暦の大晦日といえばちょうど今ぐらいの感じだろうか?4時を過ぎると 釣瓶落としで、5時には真っ暗。暮れ六つというのは日没時だというから、 外で仕事をする人ももう2時か3時には片付け始めたのだろう。 テレビの時代劇では、貧乏長屋ですら夜煌々と明るかったりするが、実際 には、江戸の町ですら大方がやみに包まれていたのではないか。 上記の金馬の噺は実に上手くその夕闇の感覚を伝えているが、これは聴覚 だけで捉える噺だからこそできる表現で、映像ではどう上手く撮っても、十全 には伝わらない。ハイビジョンだかデジタルだか知らないが、結局脳内に設置 されたモニターには適わないということですな。 今夜はひとつ家中の明かりを消して蝋燭の灯かりだけで湯豆腐でも食べてみ るかな・
by shanshando
| 2007-12-04 15:42
| ■原チャリ仕入れ旅■
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