上々堂(shanshando)三鷹

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2008年 07月 12日

しらこ

内田百閒の随筆に、
上京したての頃居た下宿屋では毎朝唐茄子の味噌汁が出されて、
それが嫌さに、そこを引っ越したというのがあるが、唐茄子、つまり
カボチャの味噌汁ってそんなに変だろうか?
山梨のほうとうの例もあるし、全国的には割りとオーソッドクスなの
ではないかと思っていたけど、先日それを話してかやのさんとオオツカ
さんにきっぱり否定された。
何故オオツカさんが居たかと言うと、ちょうど三省堂でやっていた岡崎さん
のイベントのチラシを持ってきていたのだ。

昨日も書いたが、かやのさんは鳥取で、オオツカさんは東京の出身。
二人ともにそんなのは食べたことはおろか聞いたこともないという。
百鬼園先生に言わせると、郷里の岡山ではどんなに貧乏人でもそんな物
は食膳に上らせないという。滋賀出身の私の家は実は極貧の家だったのか?
極貧だろうと赤貧だろうと私はカボチャの味噌汁が好きだ。
子どもの頃はむしろ好きではなかったが、五十も目前の最近になって、夏の
朝には欠かせないメニュウとなった。

家庭料理に関する、先入観、思い込み、常識、非常識というのは様々で、誰も皆
自分の家のレシピがスタンダードだと思い込んで大きくなる。
長じて、それが世間一般では珍しいことだと知ると、なんだか始め悔しくて、後に
は段々むしろ自慢になってくる。
よくあるのが、すき焼きの具の話で、家が貧しくって子沢山だと牛肉はおろか豚
鳥も買えず、鯖ですき焼きをして、他は食べたことがないから、すき焼きというのは
鯖を煮るもんだと思い込んでいたという話は結構いろんなところで聞く。
決して鰯や鯵や秋刀魚でなく、多くの貧家出身者が鯖すき焼きの体験を持つという
ことはきっと鯖という魚がすき焼きの味に適していると言うことだろうから、一度は試
してみなければと思っているが、いざとなると勇気が出ない。限られた食事の回数
の一をそんなもので潰したくないというのが本音だ。

鯖はともかく今回の展示でひとりの女性の回答に大根入りのすき焼きというのがあ
って、これはちょっと美味いかもしれない。イヤ勿論鯖だって美味いんでしょうけど…
長野出身の知人は芋を入れていて、それじゃあ肉じゃがじゃん…と思うが、まぁ肉じ
ゃがだからいけない、許せないという理由は考えてみると何処にもない。
ひょっとするとウチで入れるもやしも結構おかしいのか?

さっきの大根入りすき焼きはおそらく筒切りにした大根を研ぎ汁でした茹でして入れ
るんだろうけど、味が染みたところを玉子に浸して食うのはなかなか乙に違いない。
この回答は回答者の風貌の妖艶さとあいまって、今回の展示のなかでも私には忘
れがたいもののひとつだ。
他にも様々な回答、風貌があって、どれもそれなりの面白さをたたえていたが、私的
には総合点ナンバーワンの回答は入り口を入って右脇の硝子に貼ってある、女子
高校生の回答でその食べ物は「しらこ」なのだけど、なんでそれが一番かは、是非
ご覧になって頂きたい。きっと多くの人の賛同をいただけるのではないかと思う。
とにかく、私としてゎこの回答がぁ、一番詩心を感じさせると思ったわけ!
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by shanshando | 2008-07-12 13:10 | ■原チャリ仕入れ旅■


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