「質を支えるのはどんな時代でも量なんだ」
というのは、立川談志著「現代落語論」の一説だったろうか。
言葉はちょっと違うかもしれないけど、要するに質の高い芸、
一般受けはしにくいけど、玄人は唸らせるような芸というのは、
大衆受けする大多数の素人にも判りやすい芸人の存在によって
支えられているということだ。
古本屋もおんなじだね。
結局、均一や文庫などが売れてくれるから、一部のマニアむけの
商品も売っていられる。
だけどね、量というのはまさに量だから、場所をとる。輸送に手間は食う。
そこをなんとか効率よくするのが経営の知恵ということだけど、これは
実は知恵以上に体力の問題であったりもする。
日曜日、東京の向こうの端で数千冊の量が私を待っている。
自慢じゃないが元々知恵がない上にこのごろじゃ体力にも自信がないから、
効率よくとはとても行くまい。
行くまいけれど行かねばならぬのだ。