上々堂(shanshando)三鷹

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2005年 12月 06日 ( 2 )


2005年 12月 06日

とにかく、ノンストップ

いやぁ、毎日毎日更新更新で、振り返ることがないので
過去に結構たくさんのコメントいただいてた事に今日はじめて
気づきました。すみません。

文章には究極的には二種類しかないと聞きます。
つまり、日記と手紙です。ブログというこの文化はその二極の
間に漂っていて、その日の気分で語り口も思いも変わります。
他者との間に交信すべき内容が自分にあるかどうかは、誰に
とっても懐疑的にならざるを得ないことですが、テーマを区切り
継続することで、他者と共有できる何者かが自分の中に浮かび
上がるかと思い。なるだけ私事は避け、その日の対象にだけ集中
するつもりでも、どうしても自分が出てしまっているもんですね。

単純に私は、とにかく百回を超えた「掃苔帖」を書くと言う経験で
幾分なりとも古本屋として、人間としての見識を広げることができて
来たと感じてますが、それが店の営業その他に生かされることが
あるとしてもまだまだ先になりそうです。
ひとつだけ、感じていることを言わせてもらうならば、書物の世界
は実に広く深く、一生かけてもその一隅すら見渡せそうもありませ
んが、現実世界は恐らくそれ以上に広大で、人間なんか虫よりも
ちいさい存在に過ぎないなということです。
まして、一古本屋の見識など語るに足りないわけですが、世の中
には、知らないから強くあれるものもあって、それが想像力です。
これからも、「掃苔帖」の作業を通して、一個の知識の向こうにある
無限の闇のなかに想像力を鍛えていこうと思っています。

おそらくは、わかりにくい変な文章で、何を言いたいのかはおぼろげに
しか分かっていただけないでしょうが、とにかくこれからもお時間が許
せば覗いてみてください。

ネット販売はこちらから
「掃苔帖」は小松崎茂です
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by shanshando | 2005-12-06 18:45
2005年 12月 06日

古本屋の掃苔帖 第百二十二回 小松崎茂

昭和30年代に生まれた私たち世代の男の子で、小松崎茂
の絵を見たことがない、という人は極めて少ないのではないか
私などは、親の方針で漫画本や、プラモデルなどは買ってもら
ったことはなく、友達たちのコレクションをうらやましく横目で見る
のみであったが、それでもプラモデル屋のウィンドウにならんだ
箱に描かれた戦艦や飛行機、戦車などや、本屋で立ち読みした
少年誌のグラビアなどの未来図などに目をかがやかせた思い出
がある。
「講釈師、見てきたような嘘を言い」という言葉があるが、小松崎
の描く絵は未来図は勿論、戦闘風景なども絶対に見られたはず
がない物を見られるはずのないアングルで描かれている。
子ども心にそれが不思議でたまらなかった。
また、小松崎の絵で印象的だったのは、背景に描かれる空や海
の色の鮮やかさである。
戦闘機の後ろにたなびく雲の不安をかきたてるような紅さ、宇宙船
からもれる不思議な燭光を滲ませる宇宙空間の色彩。
小松崎は空想する少年のカリスマだった。

彼の原画はマニアの間で、おそらく高く取り引きされているのだろうが、
もし、ここにひとりの切れ者のキューレターがいて、彼の原画を海外
の美術館に紹介して展示すれば、おそらく、今美術品市場を賑わし
ている中国の現代美術をぬく、ブームが作れるのではないだろうか、
(もう、すでに行われているのかもしれないが)
そうして、そうすれば、かつて無能な軍人の無策によって鉄屑にされた
日本陸海軍の戦車戦艦戦闘機たちが、二次元の世界に蘇り米国本土
を奇襲すれば面白いではないか?

小松崎茂は2001年の明日12月7日、86歳で死んでいる。
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by shanshando | 2005-12-06 17:28 | ■古本屋の掃苔帖