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2008年 03月 30日

家事実習教科書

ひさしぶりに面白い雑書の山が入って、今上々堂はちょっと面白い。
軍隊手帖の脇に奥崎謙三の「宇宙人の聖書」があったり、達筆すぎて
署名の読み取れない画帳があったり……
そんななかに明治43年初版、大正13年発行の「家事実習教科書」が
ある。読んでいると昔の主婦はつくづく大変だったんだなぁと、思う反面
こんな教科書通りの主婦は昔だっていたはずはあるまいとも思う。

役立つ情報もたくさんあって、インクのこぼしたては牛乳でとれとか、
墨はすり餌を食べさせる鳥の糞でとるとか、足袋は石鹸と曹達の溶液で
煮てから洗うとか、昔の芸人さんの伝記など読むと結婚してから身綺麗に
なって売れ出したなんていうのがあるけど、良妻賢母というのが実際にあり
得たわけだ。
今では、洗濯や掃除は道具さえ揃っていれば左程特別な知識は要さないし、
そうなると、所帯持ちの男より見栄を気にする独身男性のほうがよほど身綺麗
だったりする。まぁ人にもよりけりだけど、
とにかく、そうなりゃ別に慌てて結婚などすることもないし、誰だって本当は綺麗
なほうが好きだから、買取なんかで伺っても、今は男女問わず独身者の部屋は
大抵綺麗で、昔のようにゴテゴテ物を置く事を嫌うから、実にすっきりと部屋の
四方が見渡せる。あんまり徹底すると私なんぞ棺桶に入っているような気がするが、
とにかく「男やもめにウジが湧く」なんていうのはもう完全に死語なのだ。

独身者はそういうわけで男女ともに綺麗好きだけど、これが結婚するとそうでもなく
なるというパターンがあるようだ。
今は大抵男女ともに仕事を持っているから、昔のように家事は女性の領分などと
いうのは通じないけど、前世代の母親に育てられた男性にはそうは思わない人も
居て、女性のほうもなんで立派な大人の生活の世話をしなきゃなんないのよ!
とか思っているから、部屋がどんどん荒れて来て、お互い荒れるのは相手のせいだ
と信じて疑わないから、究極に達するとそれが原因で別れたりする。

幸田露伴は娘文に幼い頃から、「お前は赤貧洗うがごとき貧家に嫁がせるつもりだ」
と言って育てたというが、それは当時としてはまさに賢明な親の愛情で、そう言うつ
もりで生活のあれこれを切り詰め切り盛りする事が出来れば、貧家のおかみさんも
金持ちの奥さまも勤まるが、逆ならばどちらも勤まらないというわけだけど、今自分の
子どもにそんな事を言って育てた日には、幼い頃から暗い将来を予見させるような
事を刷り込まれたと言って長じてから訴えられかねない。

これからの時代は日本もなんとなく貧しくなりそうだし、環境の事を考えても無駄
は厳に戒めなければならないから、家事を男女どちらが分担するかは別にして、
この「家事実習教科書」の内容もまだまだ役に立ちそうだ。
しかし、今の親は露伴と違って、経済優先というか、セレブだかなんだか知らないが
なにしろ子どもを社会の中で搾取する立場に立てる事ばかり考えるから、そんなこと
こそ無駄だと思うかもしれないけど。
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by shanshando | 2008-03-30 16:36 | ■原チャリ仕入れ旅■
2008年 03月 29日

無差別

無差別殺人…なんていうことが起こると、本当に不安になって、
もう本当に誰の中にそういう悪魔がひそんでいるかわからない
と、怯えたりするが、でも実はそれはちょっと違って、人は、特に
日本のような人口過密地帯に生息している人間は誰しも殺人
願望を持っているんじゃないか?とも思う。
殺人を起こしてしまった人間のいいぶんを聴くと、なんだそんな
ことで人命を奪うなんて……とあきれることが多いが、それは
つまりその犯人の固体としての理由だけにクローズアップする
からで、よーく自分自身や自分の周囲を観察しても殺人にいたる
動機や機会なんてゴロゴロしていることに気づく。

総理大臣だって、宗教家だって、お金持ちも貧乏人も普通に殺人
の衝動を秘めていると思ったほうがいい。

都市部への人口の過密、貧富の格差、そういったものが酷くなる
につけ、人々の中には殺人衝動が高まるのではないか?
日本よりそういった状況がさきだって著しいアメリカでは、民衆の
中に高まる殺人衝動を外に向けさせるために他国の戦争に鼻を
つっこんでいるのではないか?

人間の理性に疑問を持たざるを得ない今回のような事件がおこると、
政治家はすぐに道徳教育の必要を訴えたりするが、アンチモラルの
代表選手みたいな政治家や役人が主導するような道徳教育などお
笑い種にしかならないし、本当のところ必要なのは道徳なんてそんな
小賢しい知恵よりも、具体的に人口を減らし、自然を回復することの
ほうが効果があるんじゃないのか?
少子高齢化社会で、将来の納税額がさがると福祉に充当する予算が
無くなると懸念しているらしいが、そんなことのために子供を増やすと
いうのは変な話だ。
予算が足りないなら国宝やら国有財産やらをバンバン国外に売りさば
いちゃって、予算を作ればいい。文化財なんて所詮物に過ぎないんだ
から、そんなもの後生大事にして、将来の国民に荒廃と貧困を押し付
けるのは本末転倒だ。
とりあえず天皇陛下がご英断によって範を示され、皇室および宮内庁
の所管の財産を中国の成金にでも売り払われては如何だろう。

人口が5000万から7000万くらいになった国土から次々とコンクリート
建造物を取り払い。自然を回復し、ゴミや廃棄物を出さない循環型社会
を構築し、食料自給率を高める。そういう理想を持ち実践することが本当
の愛国で、先帝昭和天皇が本当に伝えられるような自然愛好家であると
するならば、なによりも望まれることではないのか?

軍事にしろ経済にしろ覇権主義で他国を食い物にするやり方は、もうこれ
からは紛争しか起こさないし、紛争を強圧で押さえ込んでまで覇権を守
ろうとすれば余計なコストを支払った上に国の名誉も損なう。中国のチベット
における醜態を見れば明らかである。
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by shanshando | 2008-03-29 15:51 | ■原チャリ仕入れ旅■
2008年 03月 28日

泥酔い

ゆうべは不覚にも泥酔いをしてしまった。
常用のウィスキーが切れて、代用に置いていた小瓶も無くなって、
お代わりをコンビニまで買出しに行き。戻って又飲み始めたまでは
意識があったが、その後約30分ほど意識が途切れたらしい。
数年前までは、どんなに酔ってもそんな不様はしなかったが、最近
は時々こんなことがあるようだ。
自分では意識はちゃんと連続しているつもりが、ハッと気づくと聴き
かけだったCDがすでに最終トラックに入っていたりする。
どうもやはり意識が途切れていたとしか思えない。
ソファーに深く腰を沈め、足置き台に足を載せ白い天井板を見つめ
ていると、溜め込んだ様々なストレスが腹の底で煮え立っているのが
わかる。コンプレックスやら焦燥やら悔恨やらがごった煮になって発酵
して中々に妙な話だが、わりかし居心地がいい。
人間ネガティブになる時は徹底してネガティブになるにかぎるというのが
私の持論で、ポジティブシンキングは却って創造に繋がりにくいように
思う。

夜1時過ぎ、せっかく気分良く落ち込んでいる私の耳に現実からの呼び
戻しの声が響く。チクショウめ夜くらい好きにさせろイ!
従順な犬だって、餌を取り上げられたら咬みつくこともあるんだ。
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by shanshando | 2008-03-28 13:19 | ■原チャリ仕入れ旅■
2008年 03月 26日

ひとに売る

 「ひとに売る自伝を持たぬ男らにおでん屋地獄の鬼火が燃ゆる」
…というのは寺山修司の有名な歌だけど、ひとに自伝を売るとは
どういうことだろう?

よく書く話だけど、古本屋の隠語に饅頭というのがあって、それは
葬式饅頭に喩えた、自費出版の自伝などのことで、これらは通常
値段がつかない。
通常とことわるということは、当然例外があるわけで、中には売れる
自費出版ももちろんありえる。(ほとんどないけど)

うーん例えばこんなのはどうだろう、
迷宮入りになった大事件の真犯人はじつは私だ!と告白した本を
死後配布するのである。
告白することで遺族は迷惑するかもしれないが、本人はもう平気な
わけだし、まずそのためには充分な話題性のある事件を自分で起
こさなければならないが、なーに別に本当に真犯人である必要は
ない。記述の内容が微にいり細に入っていれば、世の中の話題は
浚えるだろう。

上手に書けたにしろ下手に書けたにしろ、遺族があらかじめ知れば、
葬式で知人に配ってもらえる可能性はなくなるから、存命中に自分で
手を打って、誰か第三者に依頼して、関係者およびマスコミの手に渡
るようにする。
人のまさに死せんとするにその言うやよし…というのは論語だったか、
とにかくみんな死に際して、そんな冗談をするとは信じないから、ある
程度信憑性がある内容だったら反響はかならずある。

あまり洒落になりにくい事件はいけない。三億円事件などでこういう本が
出たのは、残虐性が乏しく、はっきりした被害者もいない事件だったか
らだろう。
勿論時効になっていることが必須条件だから、準備は少なくとも10年前
くらいから始めねばならない。
サラリーマンのお父さんで、引退後の趣味、目的に窮している人には是非
ともお勧めのライフワークである。

まじめ腐ったり、または過剰に謙虚ぶってみせたり、威張ったりするような
饅頭はお金を貰っても読みたくないが、こういう洒落の聞いた饅頭なら読
んでみたい。

なんでこんなことを考えたかというと、最近自分の履歴だとかルーツを精神
の拠り所にしている大人に立て続けに会って気持ち悪かったからである。

一人は社会に出てからは必ずしも成功しなかったけど、なにしろ出身校が
有名校で、もう事あるごとに大学時代の思い出や人脈を語りたがるオジサン。
誰にとっても思い出は美しい側面を持っているのだから、語りたくなる気持ち
も判らないではないが、聞いているほうは醒めていて、むしろ哀れんでいるの
に気づかない。他者は誰も評価してくれないから、自分で吹聴して悦に入る。
この人などは結局、「ひとに売る自伝を持たぬ男ら」ということになるかもしれ
ない。

もう一人はご本人も社会的に成功されていて、人からも評価されているのに、
やたらと自分の先祖の自慢をしたがる人で、思想的には完全に右翼なのだが、
つまり天皇制愛好者に多い天皇の血脈を自ら尊ぶことや、人にそれを強制する
ことで暗に血統、由緒の正しい自分の価値も強調しようとする人の典型で、話し
たり書いたものを読んでいると、自分に自身がないのがよく判る。これも別な
意味で「ひとに売る自伝を持たぬ男」なのかもしれない。

そういう観点で言えば、世の中でよく批判される学歴詐称や、血統の詐称はパ
ロディとして面白い。
まぁそれを信じさせて、金品などを巻き上げるのはいけないが、考えてみれば
そういう本来のその人の内容より、レッテルのほうを信じてしまう人には程よい
お灸というふうにも思えないではない。

あの有栖川宮殿下はどーされているのだろー?
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by shanshando | 2008-03-26 14:08 | ■原チャリ仕入れ旅■
2008年 03月 25日

浮遊しています。

なんだか忙しいんだか、疲れているんだか、
悲しいんだか、楽しいんだか判らないままに、気分が宙を浮遊しています。
たぶんあんまり寝ていないせい……でしょう。
本の山と対面している間だけが、妙にリアルであとは夢の中にいるように時間
と時間のつなぎ目が不安定な感じ。
普段おしゃべりな私が黙っていると回りは怒っていると勝手に想像するらしいけど、
自分では別にただただ気持ちがヘタっているだけという感じ……
朦朧とした中で本に対する感覚だけがリアルというのは、私もなかなか古本屋らしく
なったのだろうか?
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by shanshando | 2008-03-25 16:26 | ■原チャリ仕入れ旅■
2008年 03月 22日

元気はタダか?

なんだか、隙があると元気をもらいたがるヤツが多くて気持ち悪い。
何かと言うと「おかげさまで元気をいただきました。」なんて抜かしやがる。

元気をもらうつったって、別に覚せい剤かなんか打ってもらってスキッ
とするとかいううんじゃなくて、カワイソーな人がそれにもめげずに頑張
っている姿を見て、優越感まじりの同情をおかずにスキッとしようと言う
んだから質が悪い。

テレビや出版社ももう調子づいちゃって、鵜の目鷹の目でカワイソーな
人を探し出して、いやがおうでもがんばらしちゃって、もう感動の大安売り
である。

キリスト教国には昔から募金や寄付の習慣があって、つまり元気や感動
はちゃんとお金をだして買うしくみになっているようだが、日本のマスコミ
教が媒介する元気や感動は大方タダということになる。

一緒にしちゃ、むしろ性風俗に悪いが、男性が已むに已まれぬ生理的欲求
に従い、性的サービスを金銭で購うと世間はこれを白眼視するけど、多く
の場合あれは売る人と買う人の両者が合意のうえで行うことだし、買うほう
もうしろめたさや恥らいを感じつつやるのだからむしろ人間的だと思うのだ
が、他人の不幸を餌にしておきながら銭も払わずにあろうことか自ら善人
面するというのは許しがたいほどに不道徳ではないか!

私も含めて演歌好きには逆境を歌ったものを好む人が多いように思うが、
演歌好きに限らず人間は他者のポジティブな側面よりネガティブな側面
に同調しやすいように出来ているらしい。といっても本当に救いようのない
不幸の中で苦しんでいる人と直に触れ合うのはヘヴィなので、テレビや
活字を媒介させることでマイルドにし、しかもこんなに不幸なのにやっぱり
頑張ってますというオチまでつけて貰ったうえで、ゆっくり他人の不幸を愉
しむ、自分がいい人であることを再確認する。こんなのは無抵抗な子供相
手に性的欲求を遂げようとするヤツラと変わらない変態行為だと思うが、
たしかに取材される側のカワイソーな人には晒し者にされるという以上の
リスクがないのだと確認され、晒し者になってあげてもいいよという同意を
得た上でちゃんと金を払うべきで、それからくれぐれも自分たちのしている
事が人倫にもとる恥ずかしい行為だということを忘れないようにするべきだ
ろう。

ごちゃごちゃややこしい言い回しになってしまったが、簡単にいうとこういうことだ。
「同情するなら金払え!元気貰ったら金払え!この変態どもが!」
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by shanshando | 2008-03-22 16:11 | ■原チャリ仕入れ旅■
2008年 03月 21日

大人は本当にかしこいのか?

私だけじゃないと思うけど、子供の頃は大抵の大人が聡明なんだと
信じていたように思える。
この場合の聡明はべつに相対性理論が理解できるだろうとか、そう
いうんじゃなくて、世間知というか、普通程度に世の中を渡るための
知識や知恵をもっているんだろうと信じていたのである。
父親や母親と居るかぎり、よその人も怖くないし、いろんな場面に遭
遇しても心配する必要はないと信じていたのだ。
なにしろ親の庇護が基本的には唯一のよすがなのだから、そう思うの
も無理はない。
ところが自身が成長するにしたがって、それが実は根拠のない妄信で
あったことに気づき始め、大方は成人するまでに全然そんなことはなか
ったと確信するに至るのだ。

むしろ世の中の大多数の大人は、お人よしで頼りないか、邪悪なものを
内心 に秘めていて信用できないかのどちらかに分類できると思う。

先日ある知り合いの携帯がトラブルを起こした話を聞いた。
彼はずっとソフトバンクのユーザーで、同社の携帯を使用している人なら
わかると思うけど異常に迷惑メールの受信が多い。防ぐ方法もあるらしい
が有料であったり、まともなメールの受信にも支障があったりするので、
困りながらも使用しつづけていると、迷惑メールがサーバーに溜まりすぎて
種々問題がおきたり、機械本体のメモリもいっぱいになってしまって、電波
の受信状態にも障害がでるようになってきたので、余儀なく新機種に買い換
えた。ところがこの新機種が使用し始めて数週間で夜間異常発熱しだし、彼
はあわや火傷するところだった上に、テーブルの一部を焦がしてしまった。

考えてみれば不幸中の幸いだったとも言えるのは、同社の機種では同様の
ケースで小火騒ぎが起きたこともあると聞くので、テーブルの焦げと軽度の
火傷は小難だったと思えば思えなくもない。
もし熟睡していて気づかなかったら彼は今頃天国にいるかもしれないし、住
居はアパートだから近隣の人にも迷惑をかけていたかもしれない。

翌日その話を聞いた私はすぐに購入店に苦情を言わなければ駄目だと言った
のだがお人よしの彼は、とりあえず大事に至らなかったのだし、データは買い換
える以前の旧機種にうつしたし、仕事が休める日にでも言って相談するよ。
などと悠長なことを言っている。あわや人死にが出たかもしれないのに、この落
ち着きはなんだろう?

彼は人柄が優しく、人と争うことを嫌う。まぁ一般的に言えばそれは美質なのだろ
うがあわや災害につながりかねない事態に出会ってのこういう悠長はむしろ悪
だと思うのだ。私なら裁判にだってしかねない。

それでも私が煩く言ったものだから、結局仕事の休み時間にショップにいったの
だが、とりあえず工場に修理に出すからその費用は負担するようにと言われて帰
ってきたという。
まぁソフトバンクという会社の悪質さは以前他でも聞いていたのでその厚顔の極
みとも言える対応にも私は驚かなかったが、驚いたのはそのやくざのような言い
草を左様ごもっともと聞いてきた友人の人の良さというか、通り越して間抜けとも
いえる態度だ。

以前にも書いたやくざ同然の不動産屋どもが、長年借主から騙し取ってきた引越
し時の部屋の清掃費用の件といい、世の中にはお人よしとそれを食い物にする悪質
業者がひしめいているといって間違いない。
悪質なやつらが世の中から糾弾されるのは当然だが、人がいいというか無知の
せいもあって騙されてばかりいる人もなんとかせねばならないんじゃないか?

まぁ考えようによれば、いつの世も踏みつけにするやつと、されるヤツが存在して、
されるやつが泣き寝入りすることでバランスを保ってきたともいえるわけだが、される
やつにも庇護しなければいけない対象があることを思えば、「あの人は本当にいい人
だから…」とも笑っていられない。

子供の頃全幅の信頼をよせていた大人たちが意外に頼りなく、しかしそれはまぁ世故
に長けていることばかりが良い大人の条件だとは限らないし、自分自身も勿論頼りない
部類に入ると思っているので失望も絶望もしないが、ここでふと思うのが政治家のこと
である。
子供の頃大人が大人であるというだけで信頼できると信じ込んでいたように、昔も今も
政治家になるような人はそれだけの資質をかねそなえているという迷信が私たち国民
のなかにあるのではないか?
テレビのなかで役人の作った答弁書を棒読みしている政治家たちは、少なくとも(たとえ
その答弁書を自分で作る能力は持っていないにしても、)読んでいる事の内容くらいは
理解して喋っていると信じたいが、この前の首相であったA氏とか元彼の出身派閥のドン
で自身も恐ろしいことに総理大臣を務めたことがあるM氏のように、あきらかに一般的
な国民の水準から見ても知力や能力に問題があると思わざるを得ない人が実在すると
いうことは、国民として戦慄するよりほかにない事態だといわざるを得ない。
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by shanshando | 2008-03-21 15:01 | ■原チャリ仕入れ旅■
2008年 03月 18日

穴を掘る

「このへんなら大抵どんな土地でも2、3メートル掘ったら粘土層が出てくる
から、充分イケますよ。」
阿部さんの言葉を信じて私は穴を掘ることにした。
自分の家の敷地から採取した土で、焼き物を作ろうというのだ。
「まぁ、あんまり細かい細工は無理だけど、これくらいなら充分イケます。」
そう言って阿部さんが見せてくれたのは、彼の庭に飾られた円筒形のオブジェ
で、用途はよく判らないが、信楽のような焼き肌の風合いが良い。
「これは近所の工事現場から貰って来た土です。」
阿部さん宅から私の家までは500メートルくらいだから、ウチからもこんな土が
出るかもしれない。
それで、昨日の休み、午後からエイヤッと腰をあげ、雪かき用に以前買っておい
たスコップを持ち出した。
掘るのは、家の前の未舗装の私道。表面に踏み固められた砂利が多く、硬い上に
使っているのが角スコだから甚だ掘り難い。
知らない人のために言っておくとスコップには先が尖った剣スコと、平らな角スコ
があり、穴を掘るには断然剣スコが向いている。

午後3時頃から掘り始めて途中なんだかんだと雑用を命じられるものだから、4時
過ぎて掘れたのは漸く50センチくらいだろうか。途中郵便配達とか買い物に出かけ
る隣の奥さんが通りかかり、目を背けるようにして足早に行き過ぎていく。
不気味なんだろうな、どう見ても普通の庭仕事には見えないし……

日が暮れる前になんとか粘土らしき層に行き着いて、2キロ分くらい採取してみた。
はっきりとした層を成していないマーブル状だから、どうしても土や砂が混じってしま
うが、阿部さんによると強度を増すために敢えて砂を混ぜたりもするらしいのでヨシ
とする。
5時半くらいから掘った穴を埋め戻していたら、昔浦沢直樹の漫画で読んだ、リスト
ラ対象のサラリーマンをいびるために会社が研修と称して無意味な穴掘りを命じる
という話を思い出した。
朝から穴を掘って、夕方それを埋め戻す。それをずっと続けさせるのだ。
バブル崩壊後のリストラの嵐の中で本当にそんな事があったのかもしれない。
組織の歯車として働くことを習い性としているサラリーマンにとってこれほどえげつな
い苛めはないだろう。実際そんな目にあわされたら、ちょっと気が強い社員なら裁判
沙汰にしかねないだろうと思うのだが、歴史的に強圧に恭順することに慣れている日
本人の多くは逆らうこともせずに辞めていくのだろうか?実際は。

古本屋は……いや一般化してはいけない……私は無為に慣れているというか、むしろ
無為を愛しているので、こんなことを自分から進んでやっている。
必死で無為にしがみついている時ほど安らぐ時間はない。誰かの悪意をうけてやるのは
真っ平だけど、自分から進んでなら無為もまた愉しである。
採取した粘土は少しだけ捏ねてビニール袋に入れ水分が失せないようにして、夕食後
実験のために少し取り分け更に捏ねて、箸置きを作ってみた。
今週末には阿部さんの庭で七輪に火を熾すので、傍らに入れてもらい焼いてみるつも
りだ。
家の外の濡れ縁に乾したそれは今朝摘み上げてみるといい感じに乾き始め、昨夜より
軽くなっている。壊れないように静かに戻したら、コツンと乾いた音をたて、なんだか骨
上げの時の骨に似ていると思った。
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by shanshando | 2008-03-18 17:35 | ■原チャリ仕入れ旅■
2008年 03月 16日

中村中村中村……

花粉症で眼をシバシバさせながら歩いていたら向こうから来た、見覚えのある
顔がペコリ。あれっ誰だっけ?思い出せないままにつられてペコリ。
行き違って、しばらく考えてみたけど思い出せない。
確かによく見る顔なんだけど……!?
不意に中村という名前が思い浮かんだけど、どちらの中村さんやらさっぱり。
住み始めて14年以上になる西荻と違って、三鷹にはさほど知り合いはいない。
買取で伺ったお客さんかしら???
エート中村中村中村…考えても考えても判らないまま店に着き、ポストから新聞
を取り出す時思い出した。西荻の郵便局のお兄さんだ。
そかそかヨシヨシ。何がヨシヨシなのか判らないままに仕事を始め。
しかし俺もよく郵便局のお兄さんの名字まで覚えてるよな。うーん、あれ?
しかしあのお兄さんの名札に付いた名前は確か中村じゃなかったような…?
とすると中村って誰だ?中村中村中村……
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by shanshando | 2008-03-16 15:34 | ■原チャリ仕入れ旅■
2008年 03月 15日

みやこうせいさん

目の前に昨日から気になるポストカードがある。
店をやっていると、様々な展覧会やコンサートなどの案内が
送られて来たり、持ち込まれたり。
興居島屋でも上々堂でも営利目的や政治宗教イデオロギーの
匂いがしない限り、なるだけ置くようにしているので、私が居ない
時にも随分持ち込まれて、全部はとても目を通していない。
パソコンを駆使しての編集技術が発達したせいか、どれも目を
ひく出来栄えなのだが、どれもがある程度洗練されているという
ことは、逆に言うと相当心を奪われる出来でないと、手に取る気が
しないということで、だからこのポストカードのように気になってしょ
うがないというのは相当な出来ということである。

なんだかいきなりヨイショ臭くなってきたが本当にいいのだから仕
方がない。
これは編集技術が云々というのではなく、使われている写真がそも
そもいいのだ。

写真はモノクロームで、山間の集落の冬景色。
カメラはおそらく谷を挟む山の片側の小高い位置に据えられている
らしく、おそらく百戸に満たない集落を見下ろしている。
木造らしき家屋の屋根屋根には雪が積もり、手前の広場に大勢の
黒い人影と馬が見える。馬の市でもやっているのだろうか?

写真家はみやこうせいさん。
マレーク・ベロニカの絵本の翻訳もされていて。ルーマニアやロシア
の情報に詳しく、かつて「おに吉」にも執筆してもらった。

このたびの写真展「羊と樅の木の歌」は昨年6月に未知谷から出版
された同名の写真集に収められている作品の展示であるらしい。
みやさんには確かルーマニアを舞台にした写真集で絶版のものが
あったはずで、これはその復刻かもしれない。

みやさんは普段から陽気な人なのだが、お酒が入ると更に陽気に
なるのを私はかつて一度目撃しているが、その陽気さはべたついた
ところがないというか、ちょっと日本人離れした雰囲気を持っておられ
て、ひょっとしたらこれがルーマニアとかロシアの人情に通じるのかし
ら?なんて想像してみる。

ポストカードに書かれた案内によると、今回の展覧会はルーマニア
北北西の農牧民の深く豊かな精神の世界とあわせて、バルカン半島
のロマの世界も紹介しているとか、
興味のある方は3月20日から4月6日まで新井薬師の土日画廊へどうぞ。
土日画廊の電話番号は03-5343-1842です。
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by shanshando | 2008-03-15 15:40 | ■原チャリ仕入れ旅■