上々堂(shanshando)三鷹

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2010年 04月 18日

沖縄de古本屋ごっこをしよう!

このブログでも何度かご紹介している沖縄・那覇の「日本一狭い古本屋」
とくふく堂さんから電話をいただきました。
先回の私が西荻から撤退するという記事を書いた直後で、「いやあ、読みま
した…」なんて、まるで訃報にでも接したかのような調子だったので、その
反応の速さも含め、かえってビックリしたのですが、実は他の用事があって電話を
入れる前に近況を確認しようと、アクセスしたというのが真相で、最近
更新を怠り勝ちなブログをそうまめにチェックしている人など、いないはずです。

とくふく堂さんのかなり興味深い本題を紹介する前に断っておきますと、私自身
は西荻の店舗から離れることで、随分楽になります。
まぁ、当然棚の全てを自作し、十数年慈しんできた店だから愛着はありますが、
経済的にも、肉体的にも無理のありすぎる営業形態をもう数年前に辞めてい
たら、身体をここまで苛むことはなかったし、壊す必要の無い人間関係も随分
壊してきました。
まったく実力が伴わないのに、ひと様の生活の心配まですると、かえってこういう
ハメになります。反省、反省。

というわけで、私は夏までに西荻に纏わる残務を息を止めつつ頑張って、その後
は本来の能天気ペースに戻る予定ですが、此処へ来て、更に能天気な人から、能天気
な話が飛び込んできました!というのが、とくふく堂さんの話。

とくふく堂さんは、那覇の国際通りの市場の中という、私は行った事ないから知ら
ないけど、かなり繁華らしい場所で「日本一狭い古本屋」を経営しているわけですが、
元々旅人で、この場所に開業してからはもう5年になるそうですが、そろそろ「旅の
虫」が眼を覚ましたらしく、近々ちょっと纏まった旅を企画しているということ。
行き先はアジアかアフリカか?北極か南極はまぁないでしょうけれど、とにかくその
旅のあいだ誰かとくふく堂の棚を使って商売しませんか?………というのが話の主旨。

一軒の古本屋に本を持ち込んで商売をするとなると、普通ならやはり数千冊は必要に
なるだろうけれど、なにしろとくふく堂は小さい。普通の読書人が引越しの時に処分
する程度の本の量でも充分足りるでしょう。
必然的に商売は、大儲け!とはいかないわけですが、バカンスをかねて遊びに行くつ
もりなら、旅の費用を浮かす程度には稼げるかも?
午前中海で遊んで、午後は古本屋さん、夜は泡盛!なんていいじゃないですか。
私が行きたいぐらいですけど、残務整理も上々堂の再整備もあるので、なかなかそうは
いきそうもありません。

もし関心がある人がいたら、「とくふく堂」にアクセスされてみてはいかがでしょう?
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by shanshando | 2010-04-18 15:11 | ■原チャリ仕入れ旅■
2010年 04月 15日

そういうことです

岡崎さんのブログですでにご存知の方も多いと思いますが、
私は西荻窪を撤退します。
理由は……まぁご想像におまかせというところですが、
今まで相当きつかったというのは事実で、あと数ヶ月後に
控えた50代を乗り切るためには、必要な選択だったのです。

興居島屋はokatakeの日記にもあるとおり、澄子氏が続ける
というか、新しい屋号で発進するわけで、悪名高い私と違い、
好人物の彼女ですので、人の賑わいがきっと今まで私が支えて
きた仕事の分を補ってくれて余りあることでありましょう。

私もようやく人間らしい生活のペースに戻れそうです。
ここ数ヶ月は過労死寸前でしたから、出来れば温泉にでもつかり
に行って、上々堂の隆盛にむけて始動しなおしたいところですが、
とりあえず吉祥寺の出店辞退を主催者にお伝えして、そのために
集めかけていた絵本などを店に出さねばなりません。
上々堂はこれから絵本の在庫が中央線屈指の店に生まれ変わる
のです。死んでも、ゲームソフトや成人モノを置いたりしません。

聞けば今はどちらもけっこう大変だそうで、どうせ大変なら、意に
染まぬモノなんて扱ってたまるか!というのがイイカゲン男の
私の唯一の矜持なのであります。
……………しかし、こんなこと言うとると、結局過労死かなぁ…
行きたいナー、温泉。
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by shanshando | 2010-04-15 13:27 | ■原チャリ仕入れ旅■
2010年 04月 08日

どう生き残るのか?

また明日といいながら、中一日置いてしまいました。
すでにまた来月の吉祥寺にむけて始動しているのです。
今度は、ちょっと作戦を変更してみようと思っています。
具体的なことは、まぁ来月11日からのお楽しみ…というところですが、
要するに、普段より近接しての接客で、よりリアルなニーズに気づかされた
ということです。

さて、電子化によって紙の出版が縮小するのは、これは明らかなことです。
しかし、そのことが古書業の絶滅につながるとは思えません。
明治時代に西欧式の印刷製本技術が導入されてからだけを考えても
日本語で印刷された書籍の点数は恐らく数十万ではきかないと思うのです。
それらの本の群は勿論玉石混交で、とくに戦後の過剰生産の時代には、
どうでもいいようなゴミが大半をしめていたと言っていいかもしれません。
しかし何が玉で何が石かは、人によって評価が変わるところで、大方の人に
とっては無駄でしかない情報も、ある人の視点から見れば得がたいものになる。
そういう多様できめ細やかなニーズに、時代を超えて答えてきたのが古本屋
という文化です。

この群というより最早、海と言ったほうがふさわしい書物群の内一体何%が
電子化されるでしょう?
私は10%はおろか5%も電子化されるとは思えません。
これは楽観ではなく、実感なのです。現に私自身毎日この海を漂っていて、
「誰がこんなもん読むねん?」という本に一杯めぐり会っているからです。
「お金積まれても、こんな本読まんなぁ~」と思う本、そんな本を一体誰が
手間をかけて電子化するでしょう?
しかし、そんな本にもやっぱり読者はいるのです。
そうして、誰もが見逃し忘れていた過去の書物の中から示唆を受け、新しい
価値が創出されるのです。

そういう過去の文物の保存機能として、図書館は古本屋の半分の力も発揮し
ません。古本屋は同一国語を頑なに守って紡がれてきた日本文化の重要な
記憶装置なのです
。我々古本屋には国家公務員の待遇が与えられてもいい
ぐらいです(冗談でんがな)。

エコノミストは世界を数値化し分析することで安心を得ようとします。
彼らの尺度から言えば、町の古本屋なんて絶滅必至の前世紀の遺物にしか
映らないようです。そのもっともらしい忠言にのせられて廃業したり、転業
する同業も多い昨今ですが、エコノミストが将来を正確に予測できないことは
毎日の買取にくっついてくるゴミの山の中にある経済書をみても明らかでは
ないですか。

電子化はむしろそういったゴミを減らして、我々の仕事の障害を取り除いて
くれる有り難い潮流だと思うべきです。
不況のせいで売り上げが落ちてくると、何かのせいにしたくなる気持ちは判
りますが、くだらない愚痴を言っている暇があったら、不況に打ち勝つ具体的
なプランを練るべきでしょう。
絶望は愚か者の結論です。
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by shanshando | 2010-04-08 17:04 | ■原チャリ仕入れ旅■
2010年 04月 06日

リトル吉祥寺古書市 一回目終了しました。

一月前の本集めから始まって結構大変でしたが、まぁ面白い体験でした。
私は若い頃、魚屋や八百屋、お茶屋、寿司屋などさまざまな対面販売の
バイトをしていたのいで、ああいう場所でお客さんと直に話しながら、
本を売るというのが結構むいているみたいです。
出店していたのは、ウチのほかは、藤井書店さん、よみたやさん、百年
さん、古書センターさんなどですが、古書会館でやる即売会などと違い、
みなさん独自の戦略があって、それも勉強になりました。

成果のほうは、経費を削って、こじんまりとセレクトブックのみを並べた
当店は、目標が初めから低いこともあって、一応の戦績でしたが、「こん
な売り上げじゃあ」とおっしゃる方もいて、やっぱり不景気なんだなぁと、
再認識。

一夜あけて、今日は出張買取の帰りに立ち寄ったご同業の店で、「もう
どんどん古本屋減っている。もうやっていられない」との愚痴を聞きました。
この業態はもう絶滅するのでしょうか?
先日も子供のお友達のパパさんが、「もう本なんかみんな電子化されたもので、
間に合っちゃう」と言っているという話を聞きました。
紙の本て本当に無くなっちゃうの?古本屋って絶滅するの?
ウチの者は真顔で案じています。

しかし聞けば、そのパパさんが読んでいるのは、大方がビジネス本などの
実用書だそうです。
なるほど、そういうものは電子書籍で充分です。私なども大量にご処分と
聞いた本の山がじつはそういうゴミで、何度も悩まされましたから、そういう
本は、どんどん電子化していただきたいと思います。

私たち町の古本屋の多くは、そう言うものを初めから相手にしていません。
私たちが見捨ててきたそれらに脚光をあびせ、大量買取、低価格販売で伸びて
きたのがBOOKOFFです。
つまり、本の電子化で一番困るのはBOOKOFFではないでしょうか?
株式公開以来、店舗数を増やすことを宿命づけられたBOOKOFFは、最近
では毎月の売り上げノルマがこなせない店舗が増え、相当に経営の内容が悪化
していると聞きます。

今回のリトル吉祥寺のイベントも吉祥寺の町で核をなしていた大型小売り店舗
の撤退、再編などの期をうけて行われたものですが、ハッキリ言って人件費そ
の他のコストが余計に掛かりやすい大型店舗ほど、この消費の冷え込みに弱い
筈で、BOOKOFFもその例外ではありえないということです。

消費の冷え込みは勿論私たち小規模事業者にも恐ろしいことですが、そこは
事業、生活ともに経費節減で乗り切れなくも無いでしょう。
外食を少なくし、食材を無駄なく使うとか、服は出来るだけ繕って着るとか、
そんなレベルの努力でも生き残りを図ることは出来なくないですが、大事業者
はそうはいきません。
特に雇用に関するルールが厳しくなった昨今では、やはり事業全体の縮小以外
に生き残りはありえないわけです。
なのに、BOOKOFFは新規店舗を増やし続けます。上場企業として、全体の
数字を落とすわけにはいかないからです。
じつは一店舗あたりの採算がかなり厳しくても、フランチャイズ店を泣かせて
でも、店を増やさないわけにはいきません。数字が落ちれば、株は暴落、倒産
に至ります。

おそらく書籍電子化の痛手をうけてBOOKOFF内部では書籍リサイクルからの
撤退が話あわれているのではないでしょうか?
9月にはTUTAYAとの共通ポイント制を廃止するそうです。何故か?
BOOKOFFが書籍部門からの撤退をしたら、当然その分をソフト部門に振り
替えることが想像できるわけで、そうなればTUTAYAにとっては競争相手でしか
なくなるからです。

BOOKOFFの書籍リサイクルからの撤退がもしあれば、我々町の古本屋にとって
はプラスでしょうか?
勿論マイナスです。BOOKOFFは「本はリサイクルで……」という思想を流布
する役目を今まで果たしてきていて、それには私たちも随分恩恵を蒙ってきたからです。
BOOKOFFがもし書籍リサイクルから撤退すれば、そのあおりで潰れる古本屋は
随分あると思います。

では、私たちはどうするべきか?この続きはまた明日。
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by shanshando | 2010-04-06 19:56 | ■原チャリ仕入れ旅■