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上々堂(shanshando)三鷹

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2009年 06月 02日

アンケート

消費動向モニターというのだろか、ひょっとすると消費動向アンケートと
いうのかもしれないが、とにかくなんだか定期的にアンケート用紙が送ら
れてきて、結構量の多い質問のすべてに答えて送り返すということを
もう二回ばかりやった。
回答を送り返すと引き換えに図書カード2000円分が送られてくる。
結構記入に手間がかかるのでその金額が割に合うとはとても思えないが、
なんだか義理がらみのようなかたちで頼まれたので、やっているのだが、
二回やって、手間があうあわないの以前にこの手のアンケートの調査対象
として、自分がふさわしいかどうか非常に疑わしくなってきた。

東京という街は、住んでいると否が応でも消費をさせられるところで、私も
まぁ人並み程度には消費しているつもりだったのが、このアンケートに答え
ていると、自分が如何に消費社会のサイクルから零れ落ちた人間であるか
思い知らされる。

衣服に関しては年に二度必要最低限の物に関して新調をするだけで、後は
極力古着で済ませるし、自動車には輸送手段として以上の期待をしないし、
第一免許を持っていない。
家電は最低限を持っているが、最近洗濯機を新調したぐらいで、それ以外は
もう数年買っていない。(あっ!そうだ一昨年テレビを買ったっけ?地デジの
やつ。あれは実に許しがたい国家の陰謀ですな。)

とにかく、消費ということに全然関心を覚えないのだ。
アンケートには(次の商品名について答えてください。)とあって、例えばチョコ
レートならチョコレートの名前がずらりと書いていて、その横には(よく購入する)
(名前だけは知っている)(全く知らない)などの選択肢が並んでいるのだが、
たいていの項目が(全く知らない)に該当してしまう。
邪魔臭いから、表紙に一言「ここに書かれている商品の全てを知りません。私は
このアンケートにふさわしくないと思います。)と書きたくなるが、それではアンケート
を依頼した人の責任が問われそうで気の毒だから、致し方なく淡々と(全く知らない)
にマーキングしていく。

先日はテレビ番組に関しての質問があって、これは比較的回答が楽だった。
なにしろ家に居る時ですら殆どテレビはつけないから、詳細を読むこともなく、機械的
に記入すれば間違いがない。
調査会社の大本は某大手広告代理店で、これをもとに「ほらこの時間のこの番組に
広告を出せば、こういう商品が売れますよ」などとやるのだろうが、私のような回答者ばかり
だったら、クライアントも「やっぱ広告なんて無駄だね!」なんて思うんじゃないか?
まぁそれはないか。

253代天台座主 山田恵諦師は時の政府が打ち出した内需拡大策に、「内需拡大と
は贅沢をしろということだ。人間はいちど贅沢の癖がつくと直らない。とんでもないことだ」
と異をとなえ、かつて宗門の学校の生徒であった私は
「恥ずかしいなぁ、おっさん。何言うとんねん」と無礼にも嘲ったものだが、山田師の発言
が深慮に拠るものか、思い違いに拠るものかは別にして、今なら発言を嘲ることはしないだ
ろう。
政府による内需拡大策の対象になるような、また大手広告代理店のアンケート調査の対
象になるような商品の売り上げによる利益は労働者の賃金の上乗せにならず、投資マネー
の蓄積になる。
チョコレートなどは国内のメーカーの多くが未だ子供の奴隷に労働を強いている国の農場
からカカオを輸入をしている。
大手広告代理店のアンケートではそういったことに関する消費者の意識は調査されない。
問題を隠蔽したままの内需拡大は、大資本がその本質に従って生む人間の不幸を増大さ
せることにしか寄与しない。

そのむかし釈尊の高弟目連は神通力により、自分を可愛がってくれた母親が地獄の業火
に焼かれている姿を見る。彼女は自分の子供が可愛いあまりに他者の不幸を省みなかった。
よって地獄の業火にあぶられる。盂蘭盆会の由来に関する逸話だが、山田師がそこまで考
えていたかは不明である。

by shanshando | 2009-06-02 13:53 | ■原チャリ仕入れ旅■


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