上々堂(shanshando)三鷹

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2010年 01月 21日

アフター5 アフター50

お酒を飲まない独り者が仕事帰りに立ち寄れる場所。
もう疲れて、あまり主体的にヒトと関りたいわけじゃないけど、
だからって、一人の部屋に直帰するのは寂し過ぎる。
そんな時に立ち寄れる場所。
それが、15年前に興居島屋を立ち上げた時のコンセプトのひとつだった。
店の造作は友人数人の手を借りながら、自分達でやったのだけど、
一応お礼をしたとは言え、けして充分とも言いにくい額であったから、
助けてくれた人は、「気持ち」が先立っていたと言って間違いない。
最も多い時間を割いてくれたK君は、当時自分自身の人生の進路にも
悩みを抱えていたのか、ほぼ毎回仕事を切り上げた後の「一杯」の場で、
私が一体なんの為に古本屋を立ち上げるのか?と質問し、たび毎に
私が上記のようなコンセプトを述べると、
「それはコンセプトに過ぎないでしょう!僕が聞いているのは、目的です。」
と詰め寄った。ちょっと絡み酒の気があったのだ。

店を創る。事業を始めるというのは。大抵、「金を稼ぐ為で」。金を稼ぐのは
生活をする為だし。個人的に問い詰められればそれ以上の「目的」はないと
言うしかない。しかし、もともと私の舞踏活動を通しての友人だった彼には、
単にそれだけの理由で創作活動を脇に追いやって、店作りをしている私が
理解できなかったのだろう。
当時はバブル崩壊直後で、世の中の空虚な空騒ぎを脇目に観てきた20代
後半の彼自身、価値観の立脚する場を見失っていたのかもしれない。

今、飲食店であろうと物販であろうと独立開業して自分の店を持つ若い人には
当時の私のような、コンセプトを目的として説明する人が多いように思う。
事業の目的は基本的に自分の居場所をこの不安定な社会の一隅に確保する
為。出来るだけ先ずは自分にとって気分のいい場所を創って、その感性に共鳴
してくれる人とだけ触れ合って生きていきたい。今の小規模起業家たちは、大抵
がそんな感じで、「なんだか一皮外に出ただけの『ひきこもり』だよね。」なんて、
その先達の一人であるくせに私はエラそうに言ったりする。

今、K君とは音信不通で、彼がその後自分の理想とする生き方に出会ったか
どうかは知らないが、私自身は居心地がいいだけの自分の皮に閉じこもって15
年、日本社会の本格的な崩壊の予感を感じざるを得ない昨今、もう今年50にな
ろうとして漸く根本的に事業と生き方の見直しを迫られている。
力は……まだ……残っているか???
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by shanshando | 2010-01-21 19:23 | ■原チャリ仕入れ旅■


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