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上々堂(shanshando)三鷹

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2010年 09月 02日

腕白礼賛

昭和35年生まれの私が、小学生だった頃にTVのCMで、
「わんぱくでもいい…逞しく育って欲しい。」というのがあった。
ハム屋さんのコマーシャルで、三船敏郎さんが白いTシャツ姿で
出てた気がする。
いわゆる「ゆとり教育」が議論されはじめた頃で、(実施は随分
後だけど…)世間的にもそんな風潮だったのだろう。
経済的には高度経済成長が失速して、それでもなお「安定成長」
とか言われて、大人たちは銭儲けに忙しく、
「子供なんて、ほっておきゃ育つよ…」とは云いにくいけど、
「まあ、わんぱくでもいいから元気で、健康に育ってくれりゃ、
それでいいよ。ねえ、手が罹らないのが一番。エートそれより銭儲
け銭儲け。」という感じで、そういう流れの中でやがて少子化時代
がやってくるわけです。「あっそーか、面倒なら造らなきゃいいん
じゃん!」ってわけです。

そういう時代にあって、自慢じゃないがその頃の私は本当に元気の無い。
つまり腕白でもないかわりに逞しくもない。家の中で本ばっかり
読んでいて青白く、たまに追い立てられるように外に遊びに行くと
泣かされて帰ってくる。高学年になると姿勢が悪いから肩こりが
酷い、まぁ大人から見ればこれ以上はないほどイヤな子供でした。
本を読んでいるから成績がよかったかというと、これも得意な科目
だけが少しましで、音楽と体育のある日はもう学校にいくのが辛くて
辛くて、給食もなかなか完食できないし、休み時間はどうすごしたら
いいかまるで見当がつかない。人生がもう一度やり直せると言われて
も、小学生時代だけは絶対パスしたいと真剣に思ってます。
父親なんかそういう私を露骨に嫌ってましたから、自分でも自分が
好きになれるはずありません。

そんなふうに世間や親の「腕白礼賛」をひがめで見ながら育ったクセに
私も親になるとつい「腕白礼賛」をしちゃってるのに最近気づきました。
ご都合主義ですねー。馬鹿ですねー。
やだやだ。まぁ時代に関係なく大人は「手の罹らない子供」が好きなんだ。
だって子供って本当に邪魔臭いもん。
でも邪魔臭かったらはじめっから造らなきゃいいんです。お国がなんと言おうと…。
でも、もうできちゃった子供なら一生懸命付き合わなくっちゃ…。
しんどいけどね。

Q子P子、今朝もご飯せきたててゴメン。本当はおとうちゃんもご飯なかなか
よう食べれんかったのや、でも、やっぱりちゃんと食べんと病気になるから、
食べてほしいけど、まぁ無理な時もあるよな。神さんバチあてはるかもしれんけど、
その時はおとうちゃんも一緒にあたっておくから、まあボチボチ頑張ろうね。

なんか、子供の本をずっと扱ってきて、子供の気持ちわかるつもりだったけど、
やっぱり実際に子供をもつと大分視点が変わりますね。もっと絵本以外の児童書も
頑張るかなぁ…。

by shanshando | 2010-09-02 15:21 | ■原チャリ仕入れ旅■


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