2011年 03月 14日
今は、まんだらけ帝国の牙城となった中野ブロードウェイに入る手前に、 その昔、黒っぽい本を揃えた、渋い古本屋があった。 素人の時分、私はここでシュタイナー関係の本を、当時の私にしたら、 大変な高額で買わせていただいたことがある。 店の作りは典型的なうなぎの寝床スタイルで、左右の通路にあまり燭光の 強くない裸電球が並んでいて、薄暗さが、書架に神秘的な雰囲気をかもしていた。 前にもこの店のことを書いた気がするけど、今日書いているのは、本日の上々堂が まさにそんな雰囲気になっているからだ。 勿論、それは節電のため。 おかげさまで、当面わが店は計画停電の対象からはずれて、心配していた深夜営業 も九時までは出来そうで、でも皆さんが不便をしている中、煌々と灯りをつけていたのでは、 申し訳ないから、営業できるギリギリまで照明の数を減らしたわけだ。 天井の高いこの店を薄暗くすると、劇場空間を連想する。 思えば、19の頃劇研に入ってこの暗さの魅力に魅せられたのが人生の分岐点だったのね。 ○ 自分より苦しい立場にいる人々を思えば、不便になど不平は言えないけれど、地震はともかく 原発事故はやはり人災の感をいなめない。雁屋哲さんみたいに「自民党の政治家は人柱に なれ!」なんていうのはそれこそ、平静を欠いた発言だと思うけど、気持ちは判るし、 やはり正面からの反省がなされるべきだと思う。 自然エネルギーへの切り替えは、日本のように巨大集落をいくつも抱えた国では不可能だと 聴いたが、本当にそうだろうか? 例えば、三鷹市がモデル都市として、デンマークのロラン島のような試みは出来ないか? そうして、成功すれば、他の自治体にも広げてゆく、確かに東京は巨大集落だけど、 三鷹市は、八王子市は、あきるの市は……、これらを独立したコミュニティーとしてみれば、 脱原発も無理ではないのではないか? 無理だからやらない。だから今回の悲劇は必要な対価などと誰が言えるだろう。
by shanshando
| 2011-03-14 16:42
| ■古本屋子育て日記
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