上々堂(shanshando)三鷹

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2005年 06月 29日

ワイハで古本屋

2005年6月29日水曜日 雨のち曇り

もう、15,6年昔になるがホノルルの山中の住宅地に
一週間ばかり滞在していたことがある。
初めてのハワイであったが、生来臍が曲がっているので、
有名な観光地などはちっとも行かずに、毎日ハワイ大学
の図書館で世界のダンスカンパニーの舞台映像をみたり、
大学のアメフトチームの練習を眺めたりして過ごした。
大学にばかり出入りしていたのは、その当時のガールフレンド
が大学の博士課程に通っていたからで、日本の大学でさえ
裏から入って横から出た私には、広大で明るいキャンパスは
憧れであり、探検しているだけで退屈しなかった。
幾日めであったか?彼女が語学のクラスで日本語を教えて
いる時間を利用して、大学そばの古本屋を覗いてみた。
その当時私は川崎に住んで、週に数日を肉体労働、後数日
をその頃九品仏にあった「なないろ文庫」に店番として通い
始めていて、将来タツキの道として古本屋をやることをボンヤリ
イメージしていたので、はじめて見る外国の古本屋に興味深々
だったのだ。

入ってみて先ず思ったことは、殆どの本が英語の本であることを
除けば、日本の古本屋となにも変わらないということだった。
エロ本は置いてあるし、通路に本が積みあがっているし、店主は
生活に疲れたような親父だし…。匂いまで一緒だった。
考えてみれば、あれは所謂町場のUsed Booksの店で、後年
読んだゴールドマン夫妻の「古書店めぐりは夫婦で」によれば、
アメリカの古本屋はピンキリらしいから、失礼だがあれはキリの方
だったのだろう。

驚いたのは、日本語の本が意外に多いことと、その値段が高いこと。
相当状態の悪い村上龍の「限りなく…」の文庫が日本円にして千円
以上していた。後でガールフレンドに聞くと、他の古書店でもそんなもの
らしく、それでも留学している日本人学生や駐在しているビジネスマン
などが買うのだと言う、たまに誰かが日本に帰って、出たばかりの新刊
書など持ってくると友達の友達の友達ぐらいまで予約が入ってボロボロ
になるまで廻し読むのだと言う。勿論これはあくまで当時の話で現在は
どうか知らないが。

とにかく私は、ニヤリとした。これは商売になる!
その店で扱っているような状態の小説本の文庫など日本ではゴミ扱いし
ているもので、市場に行ってツブシの山から幾らでも拾ってこれる。
輸送にいくら掛かるか知らないが、船便で送れば一冊あたりのコストなど
安いものだろう。
私は早速ガールフレンドをかき口説いた、私が日本でものを仕入れて、
船便で送るから、始めはこちらの業者に卸し、そのうち資金が溜まった
ところで自分たちの店舗を開き、それが成功したらメインランドのやはり
日本人の多い町に支店を出そう。そしてやがて全米を制覇、ヨーロッパ
進出。我々は数年後にはビッグビジネスのオーナーとして南仏か地中海に
でも別荘を建てて遊んで暮らせる!

彼女の返事はつれなかった、「わざわざ古本屋になるためハワイに来たの
ではない。悪いけど他のパートナーを探して。」
ごもっともである。
結局、他のパートナーなど見つかるわけもなく。彼女もやがてハワイ大学での
ドクターをあきらめ他所に移ったので「ワイハで古本屋」計画はあえなく頓挫し
たのでありました。

BOOK OFFが海外店を出すずっと昔の話である。
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by shanshando | 2005-06-29 23:32 | ■原チャリ仕入れ旅■


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