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上々堂(shanshando)三鷹

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2007年 01月 13日

実を言うと

私、非常に遊び心のない人間なんです。
だから本当はとっても古本屋にむいていないかもしれないと、
思う時があります。

古本屋には、昔は知らず今は絶対遊び心必要ですよね。

今ちょっと鬱気味なんで、なんかまずいこと云っちゃいそうですが、

古本屋は、特に実直な専門店というわけでもない、うちのような
取り扱い分野 古書一般 なんでも買います。なんでも売ります。
みたいな店は、世の中の書物に関するあらゆる知識と言わなくても、
少しでも広い知識をちょっとずつでも知っておく必要があります。
そうなると、向学心じゃとても間に合わない。あいにく頭は保障付きの
馬鹿ですから、いちいち正確に勉強していたんじゃ、脳の容量がすぐ
パンクしちゃいます。

そこで、背表紙学問というやつで、各分野の書物をちょいちょいちょい
とつまみ食いして、判ったつもり。ということになりますが、これは如何に
商売のためとは云え、なかなかつらい。
腹の底から興味を持てる物でない本をお義理で読むくらい辛いものはない。
しかし、商売ですからなんとか効率よく見識を広げて、買取、値段付けに
間違いが少ないようにしなければならない。お客さんのおっしゃる人名が
どういう分野のどういう人なのかくらい知らないと、話にならない。

こういう時に遊び心のある人は、「へぇーそんな人がいるんだねぇ」とか
「ほっほー、面白い人がいるねー」なんて気軽に見識を広げていきますが。
私みたいな人間はそれができない、目的意識なしには本も読まない。
本を読んだらそこに無理やりでも意味を見つけようとする。
こういう人間は古本屋には向きません。
古本屋は意味なんか考えちゃいけません。ただ知っていればいいのです。
ついでに言うと、自分の考えをお客さんの前で話してはいけません。
お客さんには、いろんな人がいるのだからお話を聴いて、ただただ関心して
いれば良いのです。分野を超えてこれは日本の客商売の基本です。

古本屋さんたちが集まる場所に行くとみんな見事に如才なく世間話と冗談
の応酬に明け暮れてます。じつにオトナで遊び上手。
私だって、店じゃそうです。黙っていると恐そうに観えると言われたから、なる
だけ笑っているようにしようとしていると、気味が悪くてなお恐いといわれまし
たが。話しかけてみてください。もう幇間そのもの。
なにしろ店には、右翼系のあの先生も、左翼系のこの先生も、ただの酔っ払
いのあの先生も、オカマも坊主も神主も、創価学会の方も、統一教会の方も
いろんな方がいらっしゃる。それらすべての方々に不快な思いをさせないよう
あっちをむいては「ヘイ左様」こっちをみては「その通り!」もう絶対に逆らわ
ない。

まぁ、そんなこんなで掃苔帖を始めたのです。あれやってると、いやでも一日
一人ずつ人名を覚えていく。次の日に死んだ人という枠があるから、選択肢
が限られ好みによる偏りが少なくなる。こいつぁいいやと思っていたら。
どうも根が生真面目なもので、読んでるうちにマジになっちゃってたりして、
イカンイカン。あーあやっぱり古本屋むいてないかしら…。
とは言っても、今更つぶしも効かないし。
早いところ絵本ブームが終わってくれたら、心置きなく絵本専門店に切り換え
ちゃうんだけど。ブームの時はかえって商売やりにくいんですよね。
あーあ

by shanshando | 2007-01-13 14:21 | ■原チャリ仕入れ旅■


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