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上々堂(shanshando)三鷹

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2007年 02月 17日

神秘

数年前の春、舞踏をやっている友人から、ちょっと金が入要に
なったので買取りに来てくれという電話が入った。
彼は蔵書家としても有名で、住まいは国立の五日市街道近く、
つまり現在の岡崎邸の近くなのだ。
あの辺には昔買取先で絞め殺された古本屋の地縛霊がいて、
夜な夜な住民の枕元に立ち、
「本を買え~、もっと買え~、買わんと耳舐めたるどぉ~」と云って
脅すのだそうな。南無南無

さて、舞踏家といっても骨の髄まで俗物の私と違って、彼は笠井
叡の門に連なる。所謂天使館系列のヒトなので、読む本も神秘学
関係が多い。神秘学の難しいのは(商売として)、コアな部分は非
常によく売れるのだが、ちょっと外れるとイカモノになってしまって、
均一でも売れない。思いっきり外れるとこれはトンデモ本になって、
またそれなりに売れる。見極めを間違うと均一本を一級品の値段
で買ってきてしまう事になる。

さっきも言ったように、舞踏家と言っても私なんぞは俗物お笑い路
線なので、神秘学には縁がないから、良し悪しがはっきり判らない。
しかし、そこは友達なので、率直に話し合うことにした。
「お金が要るっていってたけど?」
「うん、ちょっと熊野に滝行(たきぎょう)に行こうと思って、その費用
なんだ。」
おお!さすがアッチ関係のヒトは云うことが違う。滝行とは畏れ入谷
の鬼子母神。でも春とは言えまだ寒いのに大丈夫?
「イヤ、行くのはもうちょっと暖かくなってから、風邪ひいてもなんだし、」
なんだか余り迫力のない滝行だねぇ、で、幾らぐらい要るの?
「そうだねぇ、あと7.8万もあれば帰りに温泉入ってこれるしー、」
なんだよ物見遊山じゃないか。ヨシ!というわけでこっちも商売だから、
危なそうなあたりは避けて、確実なところだけ8万分選んで買ってきた。

彼によれば滝に打たれると、身体の芯に緊張を残して両肩が驚くほど
脱力するそうだ。素人がイキナリやると危険らしいから、家でシャワー
の水量をちょっとあげて代用というわけにはいかないだろうか?

話はイキナリ飛ぶが、明日北区王子神谷の劇場で私の作品が上演される
加藤千晶さんもちょっと唄ってもらったりするので、お時間がある人はどうぞ。
案内はこちらから、石丸のチケットでと言ってもらったら前売り料金になります。

さて、国立の悪霊は最近東京および近県にも出張しているらしい。ただちょっと
呪いのヴァージョンを変更したようだ。
「本を売れぇ~、もっと売れぇ~、売るんだったら上々堂,親切丁寧御報参上~
電話番号は0422-46-2393だよ。」

by shanshando | 2007-02-17 13:28 | ■原チャリ仕入れ旅■


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