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上々堂(shanshando)三鷹

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2007年 07月 06日

上々山房の夢

身に過ぎた贅沢とは思うが、別荘をもちたい。
いや先立つ物のあてはこれっぽっちもないので、完全に妄想で
しかないのだが、もしかして、ひょっとすると伊豆や葉山や軽井沢
などと言わなければ、無住の民家を安くで借りられる話が山梨、
長野あたりに落ちているかもしれない。
バブル崩壊以後の田舎暮らしブームで、田舎の貸家の相場は逆
に騰がったらしいが、まだ何処かに格安物件があるかもしれない。
海の傍は高いだろうが、山の中ならまだのぞみがありそうだ。

建物は多少老朽していても構わない。すこしづつ自分で手を入れて
住みやすくするのも愉しみの一つだ。
周囲の環境も、温泉とまでは贅沢を言わないが、渓流はあって欲しい。
せせらぎに耳を傾けながら読書三昧で夏にひと月、春秋に半月ずつ
過ごすのだ。冬は寒いからパス。

我ながらまことにありがちな夢だと思うが、やはり田舎暮らしは洋の
東西を問わず読書人の究極の憧れだろう。
私がもし不動産屋なら、そういう山中の民家を自分で買い取って、大
きな書棚のある書斎を中心とした別荘にリフォームしてセールスする。
庭先には小さな畑を造れるだけのスペースを確保して、晴耕雨読を
売り文句にするのだ。
書棚に収める本も勿論お世話して、不用品は買い取る。
そんな物件が20もあれば、建物の保守管理と本の売買だけで、充分
生活が成り立つかもしれない。いわば20軒の顧客限定の古本屋だ。

30代の頃は店を12時以前に閉めたことがなくて、実際興居島屋は夜
遅くのほうが売れる店だから、早仕舞いもしにくかったのだが、最近私
自身は完全に朝型の古本屋になってしまった。
といっても早朝から店を開けているわけではなくて、午前中の買取業務
が仕事の中心になってきたわけだが…。

上々堂も夜遅くまでまたやって欲しいというお客様もいるのだが、朝8時
9時から働いて、深夜までやる体力はもう私にはない。誰か薄給を覚悟
で夜の店番を引き受けてくれる人でもあれば出来なくはないが、私が無理
にそれをやれば自滅するだけだ。

今は、午前中に固めてパワーを使って買い取りや市場の出品に励めている
が、そのうちそれもままならなくなるだろう。
古本屋は年毎に業態を拡大して、それに伴い人を雇い入れて企業として成
長していくタイプと、年毎に業態を縮小して省力化を図るタイプとがあるが、
どうやら私は後者のようだ。
これ以上店も増やしたくないし、営業時間も本当のことを言えば午前中だけ
にしたい。何を贅沢なと云われるかもしれないが、人間は日の出とともに働き
だして、日が暮れる前にはゆったりくつろいで、夜になったらサッサと寝るの
が何よりの幸せだと思うのだ。
別荘古本屋ならそれが可能かもしれない。宅建の勉強でもしてみるかな。

by shanshando | 2007-07-06 14:27 | ■原チャリ仕入れ旅■


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