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上々堂(shanshando)三鷹

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2007年 08月 11日

つめたーいお話

もう飽き飽きするほどの酷暑続きで、元来夏好きの私は商売に影響
さえなければ大歓迎なのですが、皆さん生きてますか?

どうも熱帯夜の連続で、今夜もまた眠れないのかと覚悟していたら、
真夜中過ぎに急に涼しくなった。いや涼しいのみならず、なんだか
カラダも随分軽い気がして、むっくり床の上に起き上がってみると、
確かに軽い。いや軽すぎる。不審に思って、今まで自分が眠っていた
布団の上を見ると、自分はちゃんと起き上がっているつもりなのに、
自分の身体はまだ其処に横たわっている。
なんていうことが、よくありますが。(ないか?)
今日はちょっとつめたーいお話をひとつ。

上の話じゃないですが、幽体離脱というのはその体験談を読みますと
真夏に起こることが多いようです。やっぱりあんまり暑いと自分を脱ぎ
捨てたいという欲求が起こるのでしょうか?
魂というものが実際あって、それが肉体を抜け出すと果たして寒暖を
感じる神経はどちらに属するのかわかりませんが、少なくとも肉体その
ものは死後硬直によって冷たくなるには違いありません。
死後硬直というのはATP(アデノシン三リン酸)の枯渇によって起こる
もので、死亡直前の身体状況にもよりますが人間の場合概ね死後
2時間後から始まり、30時間を過ぎると解け始め90時間後には完全に
解けるそうです。
人間以外の動物にも当然この死後硬直があって、硬直が解け終わっ
た頃が食肉としての食べごろだといいます。
つまり腐り始めた頃が一番美味しいわけです。
人間の場合は大体死んでから4日か5日めくらいが一番食べごろな
わけです。

死後硬直というのは、テレビドラマや推理小説でおなじみですが、一般
人では意外と実見した人は少ないのではないでしょうか?肉親の死で
も最近は病院から葬儀社に自動的に委ねてしまって、火葬してしまう
までついに遺骸に手を触れなかったと言う人も多いようです。
硬直して陶器のようになってしまった肉親の身体はすでに生存中のそ
の人とは思えなくて、触れるだけ悲しくなるのかもしれません。
私の見てきた中ではある程度の年齢に達した女性は、自分の伴侶の
屍骸を意外と淡々と触れられるようです。
「ハハ冷とうなってしもうて、カッチカチやなぁ」冷凍食品の凍り具合でも
確かめるようにそう独りごちるおばちゃんを何度か見た事があります。

正確に言うと屍骸の硬直に触れる機会というのは納棺までで、納棺に
際しては湯かんが行われるので、この時死後硬直は解かれます。
勿論もう体温がもどることはありませんが、湯から揚げられた直後の
触感はまるで生体のようで、立ち会った誰しもが本当はまだ死んでい
ないんじゃないかと思ってしまいます。
ある二枚目のご主人が死んだ時、内腿にさくら彫りで奥さんとは別の
女性の名前が浮かびだして、怒った奥さんが葬儀を途中で放り出し
てしまったという伝説を聞いたことがありますが、これはあらゆる意味で
物理的に無理がありつくり話だと思います。

さて時間はまもなく3時、やめられる人はボチボチ仕事をやめて、一風呂
浴びて夕方からビールでも如何ですか?死んじゃったら湯かんの後に
一杯!というわけにはいかないのですから。

by shanshando | 2007-08-11 14:39 | ■原チャリ仕入れ旅■


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