上々堂(shanshando)三鷹

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2008年 06月 24日

巴水

興居島屋に今、「夕暮れ巴水」という本がある。
今とわざわざ断るのは、売り物だからいつまでもあってもらっちゃ困るし、
数年後にネット検索で同書を探していて、このブログにつきあたり、
電話をかけてきて、ここに書いてある本を送れなどと言われてもやはり困るので、
わざわざ今はあると断るのだけれど、実に良い本である。
私は不勉強で今日まで川瀬巴水の名を知らなかったが、同書に詩文を
寄せている林望氏の言うとおり、深夜にこの作品群を見ていると陶然とするだろう。

私同様、巴水を知らなかった人はネットの百科事典でも調べてもらうとして、
ここに紹介めいたことは書かないが、好んで薄暮を描いたらしいその画景には
必ずといっていいほど水が出てくる。川やお堀、海、あるいは雨。
水の存在は大気の匂いを想像させ、夕日や灯火とあいまって情緒を湿らせる。
凡庸なたとえで恐れ入るが、映画のワンシーンを観ているようだ。
否、時間や大気の匂いまで感じさせる静止画というのは、ある意味映画以上に
映画的か?

同書の印刷状態は充分に良好といって良いと思うけど、こうなるとやはり本物が
見てみたい。
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by shanshando | 2008-06-24 17:41 | ■原チャリ仕入れ旅■


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