上々堂(shanshando)三鷹

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2005年 12月 02日 ( 1 )


2005年 12月 02日

古本屋の掃苔帖 第百十九回 ロバート・ルイス・スチーブンソン

スコットランドのエジンバラの灯台技師の子供に生まれた
ロバート・ルイス・スチーブンソンは、幼少から病弱だった
わりに情熱家で、1879年ファニーという11歳年上の人妻
の尻をおっかけて、アメリカ西海岸に渡ります。
ファニーに夫の浮気に悩んでいると聞かされ、てっきりその気
になっちゃったわけです。純真ですね。
ところが、世に人妻の愚痴ぐらい信用のできないものありませ
ん。ファニーは夫への不満から、年下の坊やをからかっただけ
で家庭を潰す気はなかったのです。とくに、仕事の伝手もない
のに一切合財背負ってやってくるような無謀でしかも病弱な若
者との未来など考えもできなかったのです。
裏切られ、路頭に迷った彼は、野宿をかさねた末に結核に罹り
ます。まったく「泣きっ面に蜂」「バッタリ倒れりゃ糞の上」という
やつですね。
ところが、人生何が幸いするかわからないもので、ここまで落ち
た彼を見たことで、逆に憐れんだファニーは夫と別れて彼と一緒
になる事を決意します。
病も癒えて、義理の息子もくわえた三人の生活が始まります。
そして、この義理の息子ロイドのために書いたお話こそ、児童文
学の名作「宝島」なのです。
この作品で、一躍有名になった彼は、翌年「ジキル氏とハイド氏」
を書き、その名を不動のものとし、一時は野垂れ死にしかけた身が
世界的名士に成り上がります。ということは、つまり11歳も離れた
人妻のために身命を投げ出したことが運を開いたということでしょ
うか?人生やってみないとわからないものです、あまり真似はしな
いほうがよさそうですが。
晩年の彼は、家族とともに西サモアに移住し、英米独の植民地支
配に喘いでいた地元部族を助けて、彼らに愛され1894年12月3
日、44歳でこの世を去るまで、ゴーギャンも愛したこの南の楽園
ですごします。
ちなみに、サモアでもいくつかの著作を残しているようですが、「宝
島」や「ジキル氏とハイド氏」を凌駕するようなものはなかったとい
われていますが、読んでないので何とも言えません。読んでみた
いものです。
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by shanshando | 2005-12-02 17:34 | ■古本屋の掃苔帖